太古の歴史、文化、芸術、魅力あふれる町、アレッツォ

映画のシーンにも使われた町の中心、グランデ広場

 みなさん、この景色に見覚えはありませんか? 不朽の名作、映画「ライフ・イズ・ビューティフル」で、主人公グイドが、奥さんと息子を自転車に乗せ、幸せいっぱいに駆け下りた広場です。

 ここはイタリア・トスカーナのアレッツォという町。映画やドラマの撮影によく使われる、古き良きイタリアの町並みをそのままに残す美しい場所です。今回は、1日では見きることができない魅力たっぷりのアレッツォの町を、素敵なアグリツーリズモの宿と共にご紹介します。

左:アレッツォの市庁舎
右:毎月第1日曜日に開かれる骨董市はイタリア最大級。町じゅうが市場と化す

 アレッツォの起源は遥か旧石器時代、紀元前20万年以上前とされ、その根拠となる発掘物がこの地から多く出土しています。それらの出土品はアレッツォの国立考古学博物館に保存展示されており、太古の物語を知ることができます。

 古代人がここに留まろうと思ったのもうなずける、美しい緑の大地に囲まれた小さな丘の上にあるアレッツォ。その豊かな大地を利用した農業を基盤に、やがて都市国家として発展します。

 古代エトルリア時代には、青銅器、陶器といった産業も生まれ、交易、国際交流もさかんにおこなわれていました。古代ローマ時代には、ローマとの商業上、軍事上の中継点として発展していきます。その時代に建てられたサン・コルネリオの丘の円形劇場跡や城壁など、遺跡が残されています。

左:グランデ広場に臨むロッジアの宮殿の回廊。人の集う温かな雰囲気の町並み
右:映画「ライフ・イズ・ビューティフル」の撮影場所にはそのシーンを解説する看板が

 時代は進み、中世でもこの町は裕福で教養豊かな都市国家として栄え、発展した文化芸術により、多くの偉人を輩出しました。ウフィツィ美術館を設計したバザーリ、ドレミ音階を発明したグイド・モナコ、詩人グイットーネ、その他、彫刻家、画家など優れた芸術家を輩出し、その作品もここで見ることができます。

 現在、アレッツォは、イタリアでも有数の金細工工業の地として栄えています。また、プラダの工場に隣接するアウトレットもアレッツォ県内にあり、イタリアらしい美しい町並みや深い歴史を堪能した後は、お買いものも楽しめちゃう、欲張りし放題な町なのです。

 そんな欲張りできる町アレッツォでさらに欲張り、くつろぎのひと時を過ごせるアグリツーリズモの宿、しかもワイナリー付き! をご紹介します。

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