銘店エノテカ・ピンキオーリ秘伝のティラミスレシピ

夫婦の絆が築いた銘店

素晴らしいワインセレクションと洗練された料理で世界に名を知られる「エノテカ・ピンキオーリ」。今回は、その憧れの高級店の意外な素顔と、そして、お店で長く愛される定番デザート「ティラミス」のレシピを公開します。

左：ベーコンを巻いたエビとスペルト麦の前菜と、ウンブリア州の白ワインCervaro della Sala
右：エノテカ・ピンキオーリのエントランス。中世の建物の中に広がる優雅な空間

ミシュランガイド3つ星、ワイン、料理、両部門においてさまざまな賞を獲得し、イタリアNo.1といわれた銘店ピンキオーリも、始まりは小さなエノテカ(ワイン屋さん)でした。世界のワインに精通する名ソムリエであったピンキオーリ氏が始めたエノテカ。熱心なワインコレクターでもある氏に選ばれることがワインの名誉といわれるほどに、そのセレクトは定評がありました。そんな氏を助けて、アニー夫人はワインに合う軽食を作り、エノテカで出しました。フィレンツェがあるトスカーナ地方の伝統を基にしつつ、フランス人であるアニー夫人のフランス料理のエッセンスが加えられたその料理。氏が選ぶ洗練されたワインに合うようにと夫人も創意工夫を重ねて、料理もまた美しく洗練されたものが生み出されていったのです。

エノテカ・ピンキオーリ、40周年記念本『PINCHIORRI A DUE VOCI』の出版記念パーティにて、スタッフ一同とピンキオーリ夫妻(中央で本を持つふたり)

この洗練されたワインと、それに合わせた洗練された料理のマリアージュがそれぞれの良さを相乗効果で引き出し、お店は評判の人気店となりました。その後もより良いものをと切磋琢磨し、皆が憧れる銘店となっていきました。そこには、お互いの才能を尊重し、支え合いながら成長してきた夫婦の、温かな絆と、力強い歩みがあったのです。