無限に表情を変え続ける砂漠の魅力が満載

かつては海底だったオーストラリアのピナクルズ砂漠には、数千にもおよぶ石灰岩の石柱が林立する。石柱の高さは、大きなものでは4mにも及ぶという。堂々たる奇観である
(C) MICHAEL PATRICIA FOGDEN / MINDEN PICTURES / National Geographic Stock

 ニジェールのテネラ砂漠では、玄武岩の山が砂に埋もれるようにしてぽつんとたたずむ。インド洋のイエメン沖に浮かぶソコトラ島の真っ白な砂丘は、モンスーンの強風が砂丘の姿を大きく変える。ブラジルにあるレンソイス・マラニェンセス国立公園では、真っ白い砂丘と、その谷間に溜まった緑色の雨水のコントラストが見る者の目を奪う。そして、チリのアタカマ砂漠にある塩原は、一面が塩で覆われ、蜂の巣状に結晶化している。

 多彩かつ無限に表情を変え続ける砂漠の魅力がここには満載されている。80点にものぼる多種多様な写真を見たなら、畏怖すべき自然が生み出した奇跡に誰もがため息をつくことだろう。

 アートディレクターは、吉田戦車『伝染るんです』をはじめとする常識を覆す装丁で一躍名を高め、最近では川島小鳥の大ヒット写真集『未来ちゃん』を手がけた祖父江慎氏。平綴じにもかかわらずページを180度開いたまま置くことができる設計は、長い間写真を見続けることができるという意味でとても親切なはからいだ。

 見れば見るほどに味わい深く、そのたびに異なる発見を得ることができる、貴重な一冊である。

『砂漠』
発行 日経ナショナル ジオグラフィック
定価 ¥1680
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2013.05.17(金)