絶滅寸前の口紅がついに戻ってきた

a ゴールドとシルバーのパールが映えるコーラルレッド。エスプリーク ブライトラスティング ルージュ(グロウ)RD440 ¥2625/コーセー

b 半透明のリップバームなので、口紅慣れしていない人も使いやすい。バーム イン ラヴ 110(ローズ マカロン)¥3570/ランコム

c とろけるようななめらかな質感も魅力。ルージュ ヴォリュプテ シャイン N°13(ピンクインパリ) ¥3885/イヴ・サンローラン・ボーテ(4/19発売)

d サテンのような光沢。ルージュ ココ #48(サンティマン) ¥3780/シャネル(4/12発売)

e うるおいとビルドアップ成分の働きで、塗った瞬間ふっくらとした唇に。ルージュ・ジバンシイ No.306(カーマイン・エスカルパン) ¥4515/パルファム ジバンシイ

f 日本人の好みと肌色を追求した納得の色開発。ピュア カラー クリスタル シアー リップスティック 01(クリスタル ベビー クリーム) ¥3675/エスティ・ローダー

g 若々しい朱赤。コフレドール ルージュエッセンス RD198 ¥2625(編集部調べ)/カネボウ化粧品

h 時間とともに変化する香りも話題。サブライム ルージュ 19(ベリーローズ) ¥3465/ソニア リキエル

 もう口紅はこの世の中からなくなってしまうのじゃないか? そう心配になるくらい、口紅が売れない時代が続いた。グロス至上主義と言えば聞こえはいいが、口紅はちょっと重くてうっとおしいから、グロスでいいや、という消極的な支持。

 ただチークもかつて誰も塗らなかった時代があったのに、今や堂々と復活を果たしている。口紅も同様、ここへ来てにわかに本格復権。何と言っても口紅は時代を超えたメイクの主役。絶滅するはずがないのだ。もうグロスのような曖昧な仕上がりでは物足りなくなってきたということだろう。でもただの復活じゃない。長い沈黙の末に戻ってきた口紅は、明らかに進化していた。まず重たい仕上がりにならないよう軽量化。そして汚く残らない新しいロングラスティングに加え、うるおいの長持ちも備え、不満はひと通りクリアされた。問題はもちろん色。密度が濃いためにグロスの透明度はなかなか出ない。さてどうするか。

 そこで今、大いに注目したいのが“美人色口紅”の存在。誰にでも似合って必ず美人に見える色が、口紅には存在したのだ。それこそが口紅の魔力であり底力。グロスでは絶対に叶えられないメイク効果を口紅はもっていて、中でも口紅パワーを全員が思い知れる色が“美人色”として今、次々クローズアップされている。

似合う色より美人色。
なじむ色より美人色

 まずは“主役になる日のための口紅”としてデビューした格上の口紅、ルージュ ジバンシイの306番。ベルベットのような質感なのに空気を含んだような不思議な仕上がり。顔立ちがパッと華やぎ、“高そうな女の顔”になる。同様にサンローランの新口紅、ルージュ ヴォリュプテ シャインも別格の仕上がりで顔にドレスを纏うよう。明らかに美人に見える色として13番をあげよう。ピンクともローズともオレンジともレッドともつかない色は、今までなかった姫色。エスティの01番は“婚活口紅”として有名だが、確かにみんなが上品で知的で心優しい淑女顔になる。コフレドールのRD198は不思議に顔が整って見えるし、もちろん肌の白さも際立つ色。遠目にもハッとする美貌をふりまくのはエスプリークのRD440。目鼻立ちがくっきりする。ソニアの19番は、かつての伝説的美人カラーの復刻版のようなライラック。そしてシャネルのベージュピンクには絶世美人色がたくさんあるが、この48 番も見落としてはいけない。そしてランコムの新作は唇を染め抜くような半透明カラーながら101番は全員を素顔美人にする。

 ともかくもう肌なじみする色を探す時代じゃない。ヤワな色も曖昧な色もいらない。必ず美人に見える色を確信をもって選ぶ……それが新しい口紅の使い方なのである。

齋藤薫 Kaoru Saito
女性誌編集者を経て美容ジャーナリスト/エッセイストに。女性誌において多数のエッセイ連載を持つほか、美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍。『人を幸せにする美人のつくり方』(講談社)、『大人になるほど愛される女は、こう生きる』(講談社)、『Theコンプレックス』(中央公論新社)、『なぜ、A型がいちばん美人なのか?』(マガジンハウス)など、著書多数

Column

齋藤 薫 “風の時代”の美容学

美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍する、美容ジャーナリスト・齋藤薫が「今月注目する“アイテム”と“ブランド”」。

2013.04.21(日)

CREA 2013年5月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

春だから。気持ちいい読書

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