三重県・伊賀にある「ギャラリーやまほん」が京都に新しいギャラリーを構えたのはおととしの10月。オーナーの山本忠臣さんは、5、6年くらい前から京都に器中心のお店を開きたいな、と思っていたのだとか。

店内は建築家でもある山本さんが設計。棚や収納など、檜を中心にしたすっきりした印象です

「僕が子どもの頃、製陶所をしていた父に連れられて、五条の焼きもの問屋さんに出入りしていたんです。家業の手伝いで毎年夏に五条坂で開かれる陶器まつりに出店していたこともあったし、河井寛次郎記念館や、陶器神社と呼ばれる若宮八幡神宮があったりと『五条は焼きものの町』という印象があった。この物件に出会った時、縁を感じたんです」

 五条通りに面したオフィスビルの3階。四条通りの喧噪から離れた、ひっそりしたこの場所にお店を開いた理由をたずねると、こんな答えが返ってきました。

<次のページ>こぢんまりとしているからこそできること

2013.03.06(水)
text:Masako Ito
photographs:Hideki Sugiyama