凛としたシノワズリが素敵な注目のブランド

 階段のある急な坂道の両脇に、店主のこだわりが伺える小さな店が並ぶNOHO(ノーホー)エリア。クリエイティブな仕事をする人たちにとって、あこがれの地となりつつあるこの一角に、モダンなチャイナドレスが並ぶ小さな店がある。新進気鋭の香港人デザイナー、レニー・コックさんが手がける「ranee_k」。伝統的なチャイナテイストを現代風にアレンジしたデザインで注目されるブランドだ。

 N.Y.でファッションを勉強したのち、1999年にブランドを立ち上げたレニーさんのコンセプトは、“伝統的な要素を取り入れたモダン”。幾何学模様の布を使いながらも、ボタンや襟など細部に中国の伝統を取り入れるなど、キュートかつエレガントなチャイナドレスは、眺めているだけでも飽きることがない。チャイナドレスをアレンジ、といっても決して奇をてらわず、仕上がりはとても上品。どれも、パーティーや特別な日に着てみたいと思わせるものばかりだ。

ディテールにまでこだわったデザインにうっとり。こんなドレスを着てみたい! と思わせるものばかり

 店内にあるチャイナドレスやワンピース、ブラウスなどはすべて工房で仕立てられたもの。ほとんどがワンサイズか、2サイズ展開となっている。価格は、2400香港ドル(約2万5000円)ぐらいからと、1点ものの仕立て品にしてはリーズナブル。「デザインは気に入ったのにサイズが合わなかった」という場合は、身体のサイズを測ってぴったりに仕立てるセミオーダーも可能だ。オーダーメイドの場合は、仕上がりまでは約1~2カ月。完成品は別料金で日本にも郵送してもらえる。

チャイナドレスだけでなく、ワンピースも手がける。こちらもオリジナリティーあふれるデザイン

 店内は、西洋アンティークのシャンデリアやソファが飾られていて、チャイナドレスとのコントラストがユニーク。手作りの洋服のほかに、アクセサリーや帽子など、レニーさんが海外を旅行したときに見つけてきたアイテムも販売されている。

気鋭の香港人デザイナー、レニー・コックさん。その明るい人柄にファンも多い
(c)ranee_k

 レニーさんは多くの時間を工房で過ごしているが、店舗でゲストと気さくに話す姿を見かけることもある。ショップを訪れたある日のこと、「大切な日に着るドレスを探している」という私に、熱心にコーディネイトのアドバイスをくれ、「Enjoy Your Anniversary!」と見送ってくれたレニーさん。ドレスを着るたびに、彼女が心を込めて縫い上げたことを思い、温かな気持ちに包まれている。

ranee_k (レニー・ケイ)
住所 中環鴨巴甸街25号
電話 +852-2108-4068
営業時間 13:30-19:00ぐらい(変動あり)
定休日 不定休
URL www.raneek.com

芹澤和美 (せりざわ かずみ)
トラベルライター。マカオをはじめとするアジア、中米を中心に取材。テーマは、ネイティブの暮らしやローカルフード、リゾート、ホテルなど。ここ数年は、マカオからのレポートをラジオやテレビ、雑誌などで発信中。トラベルコミック『噂のマカオで女磨き!』(著・花津ハナヨ  文藝春秋)では、女流漫画家の花津ハナヨ氏と共にマカオを歩き、女性視点のユニークなマカオをコーディネイト。著書に『マカオ ノスタルジック紀行』(双葉社)。www.serizawa.cn

Column

芹澤和美の香港・マカオ 時の流れを超える旅

マカオをはじめとするアジア、中米を中心に取材するトラベルライターの芹澤和美さんが、昔の姿を残しながらも近年急速に発展する街・マカオ、そしてエキゾチックな香港の魅力を紹介します。

2012.12.19(水)