イギリス人でありながら徳川家康に仕え、「三浦按針(あんじん)」として、侍になった実在の人物の半生を描いた日英合作舞台「家康と按針」で、物語の鍵を握る宣教師ドメニコを演じる古川雄輝、24歳。「ミスター慶応」出身の彼が、なぜ俳優としてトップを目指すことを決めたのか?

「グランプリを獲らないと意味がない」という強い思い

――2010年、オーディション「キャンパスター★H50withメンズノンノ」で、審査員特別賞を受賞された古川さんですが、なぜオーディションを受けられたのですか?

 その前年に「ミスター慶応」に選ばれたことによって、このオーディションを受ける権利を得たんです。辞退することもできたんですが、ちょうどその頃、大学院に進むべきか、就職するべきか、悩んでいまして、マスコミ関係にも興味があったことから、社会勉強のために受けてみました。憧れの俳優さんもおらず、演技経験もなかったんですが……。

――オーディションに勝ち進んでいくうちに、「グランプリを獲らないと意味がない」と思われたそうですが。

 なぜ、そこにこだわったのかというと、ここでグランプリにならないと、厳しい芸能界で上を目指すのは無理だろうと思ったからです。結果、審査員特別賞だったので、最初は芸能界入りをやめようと思いました。でも、ここでやめたら絶対に後悔してしまう、とも思ったんです。それで、すでに決まっていた大学院も蹴り、就活することもやめました。

――そうして、飛び込んだ俳優の道ですが、かなり早い段階で映画『高校デビュー』(2011)の主要キャストに選ばれますよね?

 最初の頃は、オーディションを受けるんですが、まったく演技経験がないので、なかなか通らないんです。その後、小劇場の舞台を踏んだ後に、『高校デビュー』のオーディションに受かることができたんです。でも、そのときは役の大きさとか全然分からなくて、与えられた仕事をがむしゃらにやるしかなかったですね。

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2012.12.07(金)
text:Hibiki Kurei
photographs:Miki Fukano