日本人2人のビストロが
たちまちパリの美食評論家に大人気

日本人の才能ある人たちの仕事を発信していきたい

 この2人は、もともと、“スケッチブック”というケータリンググループを立ち上げていました。メンバーは日本人30人ほどで、半分は料理人。あとは、建築家やモード関係など、さまざまな業種の人間が携わっており、異業種間の組織力で、イベントをまるごと請け負うなどの活動をしていました。

「この店を通して、いろいろな日本人の才能ある人たちの仕事を発信していけたら。また店をフランスで出したいと思っているほかの料理人たちを助けることのできるような、基盤になりたいというのが夢です」という2人の思いは、スケッチブックの頃から変わっていません。ですから、この店にはいろいろな方がかかわっています。インテリアは、建築家の近藤護さん、ショップカードは、グラフィックデザイナーの瀬崎洋一郎さん、ユニフォームはデザイナーの日爪伸樹さんによるもの。また、パンはグルニエ・ア・パンの職人、稲垣真也さんが、特別にアブリのために焼いており、土曜日と月曜日のランチ限定で販売するカツサンドが。1日100食の売上の人気になっています。

 アブリを通して、日本人の新しい才能たちがフランスで注目されて、新しいコミュニティが出来上がっていくのではないかという予感がしています。

text:Aya Ito