イスタンブール・カラキョイの魚市場については前回(10月15日公開)に書いたが、今回は、その周辺にある、ちょっと大人なレストランをご紹介。

 カラキョイは昔からジェノヴァ人やユダヤ人をはじめとした外国人居住区として発達してきており、古くから残る建物は皆どこか欧州風味が漂っていて味わい深い。最近ではすぐ丘の上にあるガラタ地区がおしゃれスポットと化しているのに伴い、カラキョイにもポツポツおいしいレストランやくつろぎカフェがオープンしている。

カラキョイは昔から外国人居住区だったため、ゴシック系の歴史的建造物が多い。「カラキョイ・ロカンタス」も、かつてエストニア領事館が入っていた建物の1~2階にある

 しかしカラキョイがそんな流れをくむずっと以前の2000年にオープンして以来、絶大な人気を誇っているとっておきのロカンタ(料理店)&メイハネ(居酒屋)がある。「カラキョイ・ロカンタス」だ。

 このロカンタ、取材を申し込んでもほとんど「お断り」されてしまうという、トルコでは珍しい取材が難しい店。それだけに、ガイドブックや雑誌などの露出度は多くない。にもかかわらず、平日昼間に行ってもなかなか席が見つからないほどの混雑ぶりだ。それもそのはず、ここの料理はトルコ在住歴15年の私が、個人的にはイスタンブールで1、2を争うほどおいしいと思う、味自慢のレストランなのだ。

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text&photographs:Aki Yasuo