クラシック×コンテンポラリー
「UNWIND HOTEL & BAR OTARU」
北海道初の外国人専用ホテルとして、昭和6(1931)年に建築された「旧越中屋ホテル」。
その建築的美観はそのままに、大胆なリノベーションを施したブティックホテル「UNWIND HOTEL & BAR OTARU(アンワインドホテル&バー 小樽)」が、2019年4月13日(土)にグランドオープンした。
かつて小樽は北海道の経済の中心だった街で、現在も「旧日本銀行小樽支店」をはじめ、数多くの西洋建築物が遺されている。
そんな小樽市の中でも、旧越中屋ホテルを改築した「UNWIND HOTEL & BAR OTARU」が位置するのは、“北のウォール街”と呼ばれたエリア。
観光名所の小樽運河から徒歩1分という好ロケーションだ。
美しいエクステリア(外観)は当時のままの意匠を引き継ぎ、内観はかつての面影を随所に残しつつ、モダンでユニークな感性を吹き込み、リノベーションされている。
エントランスを抜けると、そこはまるでタイムトリップしたかのような佇まいのロビーエリアだ。
右手には2階の客室フロアへとつながる大階段があり、その奥にチェックインカウンターが。
左手にはバーが設けられ、中央奥がメイン会場(レストラン)となっている。
ロビーの窓枠やレストランのステンドグラス、大階段の手すりなど、当時の意匠を活かしつつ、どの空間もフルリノベーション。伝統とモダンの巧みな融合が見てとれる。
ゲストルームは、3タイプ全36室。
かつての部屋をそのままリノベーションしているため、スタンダードタイプはこじんまりとしているものの、3.4mもの天井高があって、広々と感じられるのが特徴だ。
また、全客室ともにバス・トイレを別に設置。さらにその水まわりと寝室の間に引き戸を設けることで、快適性を追求した造りとなっている。
最新設備を整えることでホテルならではの利便性をキープしながらも、自宅にいるような感覚で寛げるのがなによりの魅力。
90年以上の時を経てなお美麗なステンドグラスと、3.7メートルもの高い天井をボール型照明で彩ったレストラン「THE BALL」は、このホテルで最もクラシックとコンテンポラリーのフュージョンを表現した空間だ。
そんな幻想的な空間でいただくディナーは、北海道産にこだわったグリルミートをメインにした“小樽キュイジーヌ”。
シェフ自ら牧場を訪ねて生産者から直接仕入れる「ジャージー牛」を使った、「シェフ厳選北海道新得町関谷牧場 ジャージー牛リブロースステーキ」をはじめ、野菜や魚介類、肉類もほとんどが北海道の地の素材。
ビジター利用も可能なので、ここでしか味わえない北の大地の美食をぜひ堪能したい。
そしてこのホテルでもうひとつ注目したいのが、個性的な朝食。
北海道初の外国人専用迎賓ホテルとしての伝統を演出しつつ、型にはまらないスタイルで朝食を提案したい。
こうして誕生したのが、イギリス文化のアフタヌーンティーやハイティーに着想を得たという「モーニングハイティー」だ。
ステンドグラスから朝の光が差し込む優美な空間で、ハイティースタイルのエレガントな朝食をいただけば、朝から贅沢な気持ちになれること間違いなし。
壮麗な空間、美味なる食、ストーリー性のある世界観で、既存のクラシックホテルとは一線を画す独創性を実現した「UNWIND HOTEL & BAR OTARU」。
ここは小樽の旅をより上質なものにしてくれるアイデアが随所に凝らされた、新感覚のブティックホテルといえそうだ。
UNWIND HOTEL & BAR OTARU
(アンワインドホテル&バー 小樽)
所在地 北海道小樽市色内1-8-25
電話番号 0134-64-5810
https://www.hotel-unwind.com/otaru/
文=立花奈緒(ブレーンシップ)