「ニヒ・スンバ」の精神を知る
地元の村探訪ツアーとは?

 「スパ・サファリ」のほか、「ニヒ・スンバ」には、たくさんのユニークなアクティビティがある。

 そのひとつが、このリゾートが立ち上げたスンバ財団がサポートする小学校や、マラリア予防と治療のためのクリニックを訪問するツアーだ。

 滞在3日目は、このツアーに参加することにした。

 ちなみに、リゾートの収益は、財団を通して地元に還元されている。

 用途は、安全な生活用水を供給する井戸の建設や貯水タンクの設置、小学校の給食、マラリア予防対策など。

 これらは大きく島民の暮らしを改善し、マラリアの罹患率は85%も減少したのだそう。

 「ニヒ・スンバ」で私たちが使ったお金が、そうしたことに役立てられるなんて、とてもうれしいこと。

 とはいっても、学校を訪れるまでは、「リゾートに滞在中の見知らぬ外国人が訪ねて、上から目線だと思われないかな」と、少し不安があったのも事実。

 そんな私を迎えてくれたのは、元気いっぱい、無邪気な子どもたち。

 どの子も大歓迎ムードで、「トーキョー?」「ジャパン?」と、次々と話しかけてくる。屈託がなく、外国人に興味津々なのも、無邪気でかわいらしい。

 思い起こせば、タンボラカ空港から「ニヒ・スンバ」に向かう途中、島の人々が笑顔で手を振ってくれたのは、たんに島の人がフレンドリーというだけではなく、このリゾートが島と共生しているからこそなのだと実感した。

 思いがけない体験をした「ニヒ・スンバ」での3日間。

 心地のいいベッドも、夜空を仰ぐプライベートプールも、海風を感じながら食べる食事も、このうえなく贅沢だったけれど、同時に、かけがえのない体験が心を満たしてくれた。

 島の人が幸せであればあるほど、このリゾートに滞在する意味がある。

 またいつか、このリゾートに行きたい。島の人々に会うために。

Nihi Sumba
(ニヒ・スンバ)

所在地 Desa Hobawawi,Kecamatan Wanukaka,Sumba,87272 Indonesia
電話番号 0811-3978-550
https://nihi.com/

芹澤和美 (せりざわ かずみ)

アジアやオセアニア、中米を中心に、ネイティブの暮らしやカルチャー、ホテルなどを取材。ここ数年は、マカオからのレポートをラジオやテレビなどで発信中。漫画家の花津ハナヨ氏によるトラベルコミック『噂のマカオで女磨き!』(文藝春秋)では、花津氏とマカオを歩き、女性視点のマカオをコーディネイト。著書に『マカオ ノスタルジック紀行』(双葉社)。
オフィシャルサイト http://www.journalhouse.co.jp/

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文・撮影=芹澤和美