5日目にしてようやく
アフリカを反芻

 そして、最後のキャンプ「デュマ・タウ」へ。ここはボツワナの北、リニャンティという森と水路に囲まれたエリアだ。10戸のテントが水辺に面して立っている。

 前の「ブンブラ・プレインズ」も水辺のキャンプだったが、こちらはよりコージーに周囲の自然に溶け込んでいる感じ。

 各テントの設えはナチュラルシックで、とても素敵。必要十分なものがコンパクトにまとまっている。

 コンパクトとはいえ洗面台はダブルシンクだったりと、使いやすさもバッチリ。配慮の行き届いたインテリアで、快適至極に過ごせる。

 夕方からのサファリまでの時間。ぼぅっと水面を眺めていたら、向こう岸から象の親子が川を渡りはじめた。ときおり潜望鏡のように鼻を水から突き出し、渡っている。なんだかノンビリした風景に、癒される時間だった。

 今回、各キャンプで素晴らしい朝焼け、夕焼けを見ることができたが、いずこもそれぞれ味わい深く記憶に残っている。

 果てしない地平線に沈むカラハリの夕陽。周囲すべてを朝焼けで染めたオカバンゴ。そしてここ「デュマ・タウ」の夕陽も筆舌に尽くしがたい素晴らしさだった。

 夜は「ボマ・ディナー」。火を囲んで、キャンプのスタッフが歌い踊ってくれる。キャンプの安全や幸福を願う歌なのだとか。みんなイイ声だし、さすがのリズム感でダンスもうまい。

 古来ボマとは、囲いの中で火を焚き、人々が集まり話をしたり食事をしたりすることをいう。人類が火を手にし“安全”を確保できるようになって生まれた風習らしい。そんな慣習にのっとり、月明かりの下での食事もまた楽しだ。

 どこのキャンプでも、夕食にはガイドかマネージャーが同席する。各国からのゲストとサファリという共通言語で盛り上がり、またお互いの文化や習慣の違いを知れる機会は、これまた魅力的な時間だった。

2019.03.17(日)
文・撮影=大沢さつき