深さ60メートルの井戸探検など
さらにディープに楽しむ

 観光スポットとして興味深いのが、16世紀に教皇クレメンス7世が作らせた「サン・パトリツィオの井戸」。

 丘の上にある町に水を供給するため、丘をなんと60メートル以上も掘り下げて水源を得ました。

 この井戸は現在も公開されており、水を汲みに下りるために作られた二重の螺旋階段を伝って水源まで下りることができます。

 下るごとにひんやりしてくる空気、遠のいていく光は、さながら地底探検のようでなかなか楽しいです。

 そして忘れてはならない旅の楽しみ、郷土料理ですが、海に面していないので肉料理が中心です。緑豊かな地方にありますので、滋味深く美味しいものがたくさんです。

 イノシシなどのジビエ肉から、豊かな土地を利用したチーズ、オリーブ、ワインなどの生産も盛んです。

 また黒いダイヤと呼ばれるトリュフの名産地でもあります。高級食材ですが、ここでは地元価格でいただけますので、ぜひ味わいたいですね。

 また、毎年年末には大規模なジャズイベントが開催されます。美しい中世の佇まいが残る町がジャズ音楽に満たされる様は官能的。ちょうどこの時期に訪れる方は必見です。

年末に行われるジャズイベントの公式ホームページ

http://www.umbriajazz.com/

藤原亮子 (ふじはら りょうこ)

イタリア・フィレンツェ在住フォトグラファー&ライター。東京でカメラマンとして活動後、'09年、イタリアの明るい太陽(と、おいしい食べ物)に魅せられて渡伊。現在、取材・撮影・執筆活動をしつつ、イタリアの伸びやかな景色をテーマに写真作品も制作中。イタリアでの日々をつづったフェイスブックはこちら。 https://www.facebook.com/chococogogo

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文・撮影=藤原亮子