メンタルの安定のためには毎日良質な睡眠をとることが大切。そのカギは、もともと備わっている時計遺伝子にあるらしい。体内時計をうまく働かせて気持ちのいいリズムを手に入れよう。


なぜ眠らないといけないの?
時計遺伝子と眠りの効用

 そもそもなぜ、私たちは眠らなければいけないのだろう。

 「人間の体は40~60兆個の細胞からできていて、遺伝子のDNAは紫外線や汚れた空気、ストレスなどの刺激によって一日に何万回も傷ついています。そのままにしておくとがん化してしまいますが、眠っている間に免疫機能が各細胞の傷を修復して活性化するため、また元気に過ごすことができるようになっています。毎日の疲れを癒すというより、次の日をアクティブに過ごすために睡眠が必要なのです」と言うのは、時間医学を専門とする大塚邦明先生。

 こうした免疫機能をはじめ、睡眠中には自律神経、ホルモンも体と心を健やかにするために働いている。

 それをコントロールしているのが、体内時計。私たちの細胞にもともと備わっている時計遺伝子が、それを動かしている。

「体内時計は、脳の視床下部にある親時計と、ほぼすべての細胞に存在する無数の子時計で成り立っています。たとえば、腹時計もとても優秀な子時計のひとつです」

自分の体内時計を知ることが
メンタルを整える第一歩

 メンタルに大きく影響する自律神経は、主に昼間行動するために働く交感神経と、夜、休息のために働く副交感神経がバランスをとっているのがいい状態だ。

 ところが体内時計がうまく働かないと、夜になっても副交感神経が優位にならず、なかなか眠りにつけなくなり、メンタルが乱れる原因になってしまう。

「ストレスや不規則な生活で、自律神経の働きはバランスを崩します。それを整えるためには、自分がもともと持っている体内時計に沿った生活を意識してみましょう」

 人によって必要な睡眠時間は異なるが、何時に寝たとしても、朝起きる時間を一定にするのがいい眠りを得るための基本。まずは自分にとってベストな睡眠時間を調べてみよう。

「3週間、眠りについた時間と起きた時間を記録します。途中で目が覚めた場合はその時間を引いて、求められた平均値がその人にとって必要な睡眠時間。およそ6時間~8時間というのが一般的でしょう。そして、起床時間を朝6時から7時くらいに設定して、睡眠時間を逆算した時刻が理想の就寝時刻になります」

 もともと夜型の人にとっては、なかなか難しいかもしれないが、体内時計をスムーズに働かせるにはこれがいちばんだとか。

「毎日その時間に寝るのが難しいようなら、週に1、2回でも理想的な睡眠をとってみてください。とくに30代~40代の女性は仕事や子育て、家族などの要因で生活が不規則になり、体内時計が乱れがちです。朝起きてすぐに光を浴びる、1時間以内に朝食をとるなどの習慣も取り入れ、こまめに体内時計をリセットするように心掛けましょう」

2019.01.28(月)
Text=Ayaka Sagasaki

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※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

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