市場には、シーフード料理のお店も

ほんの100メートルほどの魚市場だが、魚を求めて集まってくる人々で活気にあふれる

 カラキョイ魚市場そのものは、ほんの100メートルほどの小路。それだけに、探索がてら旬の魚が並ぶ店先を冷やかしつつ散歩するのにはちょうどいい距離とも言える。魚市場の中には、新鮮な魚を目の前で調理して食べさせてくれるイートインを併設しているお店もいくつかある。こうしたお店の入り口にはそれぞれの旬の魚が今いくらなのかが書かれたホワイトボードが出ているので、価格もはっきりしていて私たちにもとっつきやすい。

 短い魚市場を通り抜けると、そこにはちょっとした空き地が広がる。ここにもサバサンドの屋台が数台出ており、シーフードレストランも数軒並ぶ。ランチ時ともなるとカラキョイ周辺で働くスーツを着たトルコ人たちがレストランでランチを楽しんだり、ベンチで屋台のサバサンドをほおばったり、チャイを飲んだりしてまったりした時間を過ごしている。対岸の丘にはスレイマニエを始めとしたモスクのシルエットが見渡せ、お得に贅沢な時間が過ごせるスポットだ。

左:対岸のスレイマニエモスクを鑑賞しながらのサバサンド。風情ある光景
右:「アクンバルック」。新鮮な野菜と新鮮な魚、そして緑と花のある癒しの空間

 空き地手前右にあるシーフード店「アクンバルック(Akin Balik)」は緑の木々に囲まれた古きよきイスタンブール的なレストラン。魚市場併設のイートイン、というほどお手軽ではないけれど、かといって高級シーフードレストランというほどかしこまった感じはなく、気軽に食事を楽しめる空間となっている。正しいトルコ人のやり方に準じて、ここで魚をいただきつつ、夜だったらラク(トルコのお酒)を一緒に楽しむのもいいし、昼なら、リヤカーで来るフレッシュオレンジジュース屋さんに目の前でジュースを絞ってもらうのも栄養満点でヘルシーなチョイス。食後には空き地のチャイハネに移動して、海の景色を眺めながらチャイを一杯すする、というトルコ的な時間の流れを味わうのも然り。

 こんな感じで、地元の人たちにまじって新鮮な魚三昧の探索ができるカラキョイ魚市場周辺は、9~10月、または4~5月のお天気のいい日がおすすめだ。

左:漁解禁直後だと、このようにテレビ局などがニュースを撮りにやってくることも
右:イートインもできる魚屋さん。ホワイトボードに各種魚の価格が出ている

アクンバルック Akin Balik
住所 Fermeneciler Cad. Ali Yazici Sok. Gumruk Han 10, Karakoy
電話番号 0212-244-9776
営業時間 12:30~翌1:00頃(日によってまちまち)、一年を通して毎日営業
URL akinbalik.com

安尾 亜紀 (やすお あき)
イスタンブール在住。イスタンブール大学大学院女性学研究所卒。女性誌や料理誌、報道関係まで幅広い分野でライター・コーディネーターを担当。トルコの「おいしい・楽しい・新しい」を中心に、All Aboutトルコ・イスタンブールでも情報発信中。

 

Column

気になる世界の街角から

世界の12都市から、何が旬で何が起きているかをリポートするこのコーナー。
その街に今すぐ飛んで行きたくなる情報ばかりです!

text&photographs:Aki Yasuo