風間俊介の声はミステリアス

──インタビューでも「『それでも、生きてゆく』の頃から、この人たちと仕事をしていく自分が自分なんだ、みたいなことを確信できた」とおっしゃっていましたが、脚本家と役者の関係性って不思議ですね。

坂元 距離がすごく遠いからね。瑛太さんとも満島さんともドラマの内容とか演技について話したことはほとんどないし。遠距離でお手紙をやりとりしてるような感じなんです。

――脚本とお芝居を通して、すごく深いところでつながっている感じがします。

坂元 こっちが本気で好きだと、向こうも好きになってくれるんだなあって思います(笑)。本当に好きだからね、この人たちのことは。脚本に気持ちをこめた分だけ、ちゃんと気持ちのこもったお芝居で返してくれるなあって思います。

──文哉を演じた風間俊介さんも素晴らしかったですね。

坂元 キャスティングが決まったとき、噂は聞いてたけど、風間さんのことを僕はあまり知らないままで。それから脚本を書き始めて、加害者である文哉のことがずっとわかんないまま書いてたんですけど、4話か5話を書いてる頃に、風間くんが演じた1話か2話のシーンを見せてもらったら、なんとなく掴めてきて。

 「文哉はこういう人なのかなあ」ってことが、理屈じゃなくて、その人の実像として伝わってきたんです。小野武彦さんと農作業をしているような、なんてことないシーンだったと思うんですけど。

 声がね、彼もちょっと震えるんですよ。和音みたいになってる。風間くんと普通に会話をしているときも、声に聞き入ってしまう時がある。ミステリアスですよね。優しいんだけど冷たくもあって、感情がどっちに向いてんのかわかんないような声。全般的にそういう声の人が好きなんですけどね。

──坂元さんは「声フェチ」だとか。

坂元 ここ1、2年でようやく気づいたんですけどね(笑)。人の多面性みたいなものを表現するのって、声に依ってる部分も大きいと思いますね。

2018.11.02(金)
構成=上田智子