“いつもどおりの生活”を続けながら
災害のために私たちができること

 豪雨、台風、地震……災害は、もはや対岸の火事ではない。自分ごととして考えて、“いつもどおりの生活”を続ける自分に後ろめたさを感じないためにも。インテリアデザイナーの片山正通さん(Wonderwall)がチャリティの新しいプラットフォームを立ち上げた。

8月末、寄付先となる西日本豪雨の被災地を訪ねた片山さん。「すでに豪雨から1カ月半以上たっていて、報道もボランティアも少なかったです。でも現地はまだ未来が見えないような状態。少しでも力になれればと改めて思いを強くしました」(片山さん)

 「西日本豪雨の日、僕は東京でライブに行っていたんです。地元の岡山が大変なことになっているのに、僕はいつもどおりの生活を送っている。それはある意味、普通のことなんだけど、それでもモヤモヤとした後ろめたさが残り、目をそらすことができない。なにか小さなことでも自分にできることがないかと思い、いつでも、どこでも、簡単に被災地支援ができる仕組みを考えました」(片山さん)

 その名は、YEN。災害復興活動に必要な“お金(円)”、そして“支援”や“縁”の意味も込めた。スマホ決済アプリ「 Origami Pay」をダウンロードして必要な情報を入力すれば、あとは自分が寄付したい金額のコードを打ち込むだけ。寄付先は、復興活動に尽力している「ピースウィンズ・ジャパン」などを予定している。

日本はもとより世界中で活躍するインテリアデザイナー片山正通さん(Wonderwall)。「いつどこで災害が起きるかなんてわからない。情けは人のためならずじゃないけど、このYENの仲間が広がっていけば、いつかお互いに助け合うこともできるんじゃないかとも思っています」(片山さん) (C)Kazumi Kurigami

「僕みたいにモヤモヤした思いを抱えている人は多いんじゃないかと思ったんです。なんとかしたいという思いはあるけど、具体的な行動に出る時間も余裕もない。でもこのYENを使えば、ポケットにある小銭を入れるような感覚で寄付ができるので、すぐ行動できます」(片山さん)

今回のYENプロジェクトは、彼と建築家の谷尻誠さん、吉田愛さん(共にSUPPOSE DESIGN OFFICE)の3人が発起人となり、サカナクションの山口一郎さんや映画監督の本広克行さんも賛同人として名を連ねる。

 当面は西日本豪雨災害が対象となるが(12月末まで)、今後もYENのプラットフォームを残し、活動を続けるそう。

 簡単に、軽やかに、チャリティ。YENは、そんな新しいソーシャルプラットフォームになりそうだ。

 

YEN(西日本豪雨災害支援募金)

https://yen.origami.com/

2018.09.25(火)
文=川上康介

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