季節により味わいを変える
極上のジビエ

 グランピングリゾートの食事と聞くと、ワイルドなものを想像する。その期待を裏切らず、かつ、繊細な味を楽しませてくれるのが、ジビエを目の前のダッチオーブンで焼き上げる狩猟肉ディナーだ。

 ジビエは秋の味覚というイメージがあるが、近年、農作物を荒らす鹿や猪が増える河口湖周辺では狩猟が活発になり、年間を通して食べられる。

 ジビエとひとくちにいっても、季節によって狩猟肉の味が異なるのが面白い。夏は鹿や猪にとっての食糧が豊富にあるため旨みが増し、冬は木の皮やもみがらなどを食べるため身が引き締まるのだという。

 ジビエが苦手な人も、ここで食べれば固定観念が覆されるはず。腕利きの猟師がしとめた後に素早く処理をした狩猟肉はとても新鮮で臭みがない。旬の野菜やフルーツを使って料理された大地の恵みは、食べるほどに、森に対して感謝の気持ちが湧いてくる。

 ヘルシーで味わい深いジビエに山梨県産ワインを合わせれば、たっぷりと地元の山の幸を満喫できるだろう。ディナーはこのほか、メインのステーキを中央のグリルで豪快に焼き上げる屋内のダイニング、キャビンのテラスリビングで楽しむルームサービスがある。

 朝食のスタイルも何通りかあるが、のんびりと特別な朝を楽しむのなら、モーニングボックスが届けられるルームサービスを。バスフィッシングが盛んな河口湖にちなみ、釣具を入れるタックルボックスを模した木箱が使われている。天気がいい日は、テラスリビングで朝の風を感じながら食べるのも気持ちがいい。

 まだまだ自然が恋しければ、朝食の後は、クラウドテラスへ。

 針葉樹や広葉樹、ハーブの香りを感じながら散策をしたり、ライブラリーカフェでコーヒーを飲んだり、朝の爽やかな空気を吸うストレッチに参加したり。日常に戻る前のひとときを、あますところなく楽しんでおきたい。

星のや富士

所在地 山梨県南都留郡富士河口湖町大石1408
電話番号 0570-073-066(星のや総合予約)
https://hoshinoya.com/

芹澤和美 (せりざわ かずみ)

アジアやオセアニア、中米を中心に、ネイティブの暮らしやカルチャー、ホテルなどを取材。ここ数年は、マカオからのレポートをラジオやテレビなどで発信中。漫画家の花津ハナヨ氏によるトラベルコミック『噂のマカオで女磨き!』(文藝春秋)では、花津氏とマカオを歩き、女性視点のマカオをコーディネイト。著書に『マカオ ノスタルジック紀行』(双葉社)。
オフィシャルサイト http://www.journalhouse.co.jp/

Column

ウェルネスを極める 星野リゾートの旅

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2018.09.29(土)
文=芹澤和美
撮影=鈴木七絵