ショッピングモールという
最高の見せ場

 さて、現在は7人体制のDA PUMP。ダンスを得意とするイケメン男性グループが数多い中、そこから突出できた理由はもうご存知の通り、「ハイスキルをひたすらアピールする」のではなく、「ダサカッコよさ」を前面に押し出したからだ。

 これは私の勝手な想像だが、「U.S.A.」の一つ前のシングル「New Position」リリースの際に敢行したショッピングモールツアーが、彼らに大きな影響を与えたのではないだろうか。ファンだけでなく、買い物ついでの老若男女ファミリーが集まり、間近で彼らのパフォーマンスを楽しむのだ。オオバコでは決して体感できない生の反応と喜び。それを受け、

「次はオバチャンオッチャンも一緒にワイワイ乗れる楽曲にしたいなあ」

「ちっちゃい子も踊れる、ペンギンダンスみたいなの入れ込もうぜ!」

 とか、企画会議で盛り上がった……のかもしれない。

 そんな風に勝手に想像してニコニコしてしまうほど、「U.S.A.」を歌い踊るDA PUMPは全員幸せそうだ。舞台に立てる喜びを1秒1秒噛みしめ、観客と共有しようとする独特の笑顔がある。いやもう、どこまでもゴキゲンなグループだぜ……。

 結成から21年目。見事に再浮上した彼らから、ドリームの見方、インスパイアさせていただきます。紅白出場、決まってほしい!

田中 稲(たなか いね)

大阪の編集プロダクション・オフィステイクオーに所属し『刑事ドラマ・ミステリーがよくわかる警察入門』(実業之日本社)など多数に執筆参加。個人では昭和歌謡・ドラマ、都市伝説、世代研究、紅白歌合戦を中心に執筆する日々。現在は「関西ウォーカー」で“Kansai Walkerで振り返る! 00年代の関西”連載中。著書に『昭和歌謡 出る単 1008語』(誠文堂新光社)など。
●オフィステイクオー http://www.take-o.net/

Column

田中稲の勝手に再ブーム

80~90年代というエンタメの黄金時代、ピカピカに輝いていた、あの人、あのドラマ、あのマンガ。これらを青春の思い出で終わらせていませんか? いえいえ、実はまだそのブームは「夢の途中」! 時の流れを味方につけ、新しい魅力を備えた熟成エンタを勝手にロックオンし、紹介します。

2018.09.26(水)
文・撮影=田中 稲
写真=文藝春秋