三度目の正直で
「新日本プロレス」に入門

――スポーツ新聞の記者になる夢が途切れた理由は?

 大学のプロレス同好会に入ったからです。それでトレーニングを始めていくうちに、1年間で15キロ増やすことができたんです。当時のプロレス界は、(獣神サンダー・)ライガーさんなど、(体重100キロ未満の選手を対象とした)ジュニアヘビー級が盛り上がっていて、もうちょっと増やせれば、レスラーになるのも夢じゃないぞって思うようになりました。大学を卒業するときには90キロになったんですが、肉体的な変化が僕を夢に近づけてくれたんです。

――99年、大学卒業と同時に「新日本プロレス」に入門するわけですが、その前に受けられた入門テストは2度不合格になっています。その間、ほかの団体の入門テストを受けようとは思わなかったのですか?

 レスラーの道を目指すのであれば、日本一の団体でやりたいという思いは強かったですから、それはなかったですね。後で分かったことなんですが、若手選手が多くいて寮が満室のときなどはあまり採用しないとか、入門テストというのは、運やタイミングもあるんですよ。1回目のときは、入門テストをすべてクリアしても、落ちてしまったぐらいですから。それで、直談判して、2回目を受けたんですが、今度は僕が風邪をひいて、体調を崩してしまった。それでも諦めなくて、ホント良かったです。

2018.09.21(金)
文=くれい響
撮影=白澤 正
スタイリスト=小林洋治郎(Yolken)
ヘアメイク=山田みずき