ドンゴンさんはいたずら好き

――チャン・ドンゴンさんの凄さをどんなときに感じましたか?

パク・ヒョンシク まずは何よりもオーラが違います。これは努力して作れるものではないと思いますね。チャン・ドンゴン先輩が来ると現場の空気が変わるんです。それだけで「すごいな」と圧倒されて、自然と感嘆の声が出ました。“いつかは僕もこんなふうになれるかな”とこっそり先輩の真似をしてみたりして(笑)。ドンゴンさんが特にステキだと思うのは大先輩なのに気さくに接してくれることです。後輩を気遣って先に話しかけてくれるし、現場の状況だけでなくスタッフや監督の動きを把握し常に中心にいます。そんなドンゴン先輩の姿からいろんなことを学びました。

――ドンゴンさんはヒョンシクさんに何かアドバイスをされましたか?

チャン・ドンゴン 僕は普段から後輩に対してアドバイスはしないほうですね。誰かにアドバイスできるような立場でもないですし。僕はヒョンシクさんより経験が多いだけ。自分のほうがよく知っているとか、演技がうまいとは思いません。

パク・ヒョンシク 口に出して言わないだけで、現場での先輩の姿そのものが僕にとっては、貴重なアドバイスです。ドンゴンさんは最初にお会いしたときからすごく親切でした。ドンゴンさんのほうから距離を縮めてくださって、僕の緊張を解きほぐしてくれました。ドンゴンさんはいたずら好きですし、撮影現場でもよく笑っているんです。そんな人柄のおかげですぐに打ち解けられて、役作りの助けになりましたし、本当に自分が弁護士コ・ヨヌになったみたいに役に成りきれて、うまく演じられたと思います。

チャン・ドンゴン ヒョンシクさんを見ながら、「この年齢の頃の自分はどうだったかな?」と昔の自分をよく思い出していました。彼から学んだことも多いですし、僕も若い頃に比べると自分は情熱を失ってきているな、と考えさせられるきっかけになりましたね。ヒョンシクさんとは友達のような関係で芝居以外の話もたくさんしました。後輩というよりも仲間や友達のような存在ですね。

 どんなときも謙虚なドンゴンと、まさに坂を駆け上がっていく勢いを感じさせるパク・ヒョンシク。今年で46歳と27歳の、19歳差“ブロマンス”にすっかり魅了されてしまった。

チャン・ドンゴン×パク・ヒョンシク
「SUITS/スーツ」

8月10日(金)WOWOWプライムにてスタート(全16話)[第1話無料放送]
毎週金曜 夜7:00(2話ずつ放送)※字幕版

チェ・ガンソク(チャン・ドンゴン)は大手法律事務所カン&ハムを代表するエース弁護士。部下を持たない主義だったが、事務所代表のカン・ハヨンからシニアパートナーへの昇進を告げられ、条件としてアソシエイトを雇うよう命じられる。一方、驚異的な記憶力を持つコ・ヨヌ(パク・ヒョンシク)は、祖母の入院費を稼ぐためにやむなく麻薬の運び屋の仕事を引き受け、警察に追われる身になってしまう。ヨヌは偶然通りがかったアソシエイト面接会場に逃げ込み、ガンソクと出会う。オリジナルはニューヨークの法律事務所を舞台にした人気の米国ドラマで、英国のハリー王子と結婚したメーガン・マークルが出演していたことでも話題になった。

●チャン・ドンゴン

映画『ブラザーフッド』『友へ チング』など数々の映画で大ブレイクを果たしたアジアを代表するトップスター。ドラマ出演はコメディに挑戦した「紳士の品格」以来6年ぶりとなる。

●パク・ヒョンシク

2010年にアイドルグループZE:Aのメンバーとしてデビュー。ドラマ「花郎<ファラン>」「家族なのにどうして~ボクらの恋日記~」などに出演し、俳優として注目を集める。

石津文子 (いしづあやこ)

a.k.a. マダムアヤコ。映画評論家。足立区出身。洋画配給会社に勤務後、ニューヨーク大学で映画製作を学ぶ。映画と旅と食を愛し、各地の映画祭を追いかける日々。執筆以外にトークショーや番組出演も。好きな監督は、クリント・イーストウッド、ジョニー・トー、ホン・サンス、ウェス・アンダーソンら。趣味は俳句。長嶋有さん主催の俳句同人「傍点」メンバー。俳号は栗人(クリント)。「もっと笑いを!」がモットー。片岡仁左衛門と新しい地図を好む。