多くの女性が抱える首や肩の痛み。人によっては痛みに加えて不快感をともなう場合もあるなど、日常の快適さを奪われていることも多いはずなのに、「いつものことだから」で片付けてしまいがち。でも、本当にそれでいいの? 今回は痛みについて専門家である岡山大学整形外科学教室 鉄永倫子先生にお話を伺ってきました!

患者さんに緊張感を与えないよう、私服のワンピース姿で診察を行う岡山大学整形外科学教室 鉄永倫子先生。問診では痛みの背景を探るため、患者さんの生活環境までヒアリングするのだそう。

その痛み、ただの筋肉のコリではなく
神経が何かしらか悪さをしているのかも?

 年代を問わず、多くの女性を悩ませている首や肩周辺の痛み。あまりにも付き合いが長くて毎日のこととごまかしている人もいるのでは? でも、痛みの専門家である岡山大学整形外科学教室の鉄永倫子先生によると、慢性化した痛みの中にも種類があり、見過ごされている疾患が隠れている場合もあるのだそう。

「痛みには大きく分けて、炎症や刺激による痛みである『侵害受容性疼痛』と、神経が障害されて起こる『神経障害性疼痛』といわれる神経の痛みとがあります。

 長引く痛みの患者さんでは首の頚椎が変形するなどして神経を障害し、『神経障害性疼痛』による痛みを引き起こしているケースもあることがわかっています。(※1)」(鉄永先生)

(※1) 田中靖久・臨整外・37巻4号・385〜389・2002年4月

神経障害性疼痛って、どんな痛み?

神経が何かしらの理由によって障害される「神経障害性疼痛」は痛みが長引き、神経に沿ってジンジン、ビリビリ、チクチクした痛みを伴うことがあるという。つまり首の部分で神経が障害されると肩や腕、指先にも不快な症状として痛みが現れるのだ。

 『神経障害性疼痛』とは聞きなれない言葉だけれど、この説明を聞けば、「あれ? 私のこの症状も?」と思い当たる人も多そうだ。何を隠そう、この記事を書いている私もそんな症状がある人のひとり。

「代表的な痛みの表現としては、『ビリビリするような痛み』、『ジンジンするような痛み』、『針でチクチク刺されるような痛み』というものがあります。首や肩周辺に、ここに挙げたようなジンジン、ビリビリ、チクチクといった痛みを感じる場合には『神経障害性疼痛』が隠れているかもしれません。このような普通の痛みと違うような感覚の痛みがある時はぜひ一度、医師に相談してほしいです。

 相談の際には、痛みの程度だけでなく、仕事はデスクワークが中心であるとか、子育て中であるか、庭仕事が好きかなど、その方の生活環境をお聞きします。また、ジンジン、ビリビリのような痛みの感じ方、痛みが生じやすい時間帯、いつから痛むのか、どういう動作をしたときに痛みが強く出るのかなどを医師に伝えていただけると、診察の助けになります」(鉄永先生)

2018.08.10(金)
取材・文=今富夕起
撮影=山元茂樹

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