平織りから擬紗織りへと変化する様子が美しいカシミア100%のストールは、ショールのように羽織っても素敵。軽くて温かなストールは、秋冬シーズンにも活躍必至です。「MFカシミア」(65cm×190cm)¥39900

 職業柄、毎日のように通っている表参道で、最近気になっていた新ショップKoma aoyama。先日、ご縁があってプレスの方に案内して頂くと、まだ産声をあげたばかりのストール専門店とのこと。長年、一流ブランドの販売等にも携わっていた女性オーナーが、“日本のものづくりの素晴らしさを届けたい”と一念発起し、糸からつくりあげる極上のストールを生み出しているのだそうです。

 たとえば、染色は、シルクやカシミアといった素材に合わせて、日本各地に残る染色技術を選別している徹底ぶり。そうしてできあがった糸は、今では希少な1940~60年代に活躍していた機織り機を使い、熟練した職人達の手で織られているのだとか。とてもゆっくり織られるので、なんと1日に4枚しか織ることができないそうですが、その丁寧な工程があればこそ、織物にほどよく空気を含ませることができ、驚くほどふんわりとした触感がかなうのです。

【画像】
左:全16色という「MFカシミア」は、色選びに迷うのも楽しい。主には、大地や空、草木や花など、自然の色から連想された古代色を中心にラインナップされている。各¥39900
右:糸から丹念につくられたストールは、優しい触り心地も大きな魅力。「ラダー」は、縦糸にカシミア、横糸にシルクをブレンドすることで、織り地部分には光沢を、平織り部分にはふんわり感を表しているそう。(全11色、65×195cm)¥37600

 店内は、ひと目で上質とわかる美しい色彩に溢れていて、眺めているだけでも癒される気分に。デザインも、本物に寄り添ってきたオーナーがリアルに欲しいと思えるものをつくっているので、上品でしかも表情豊か、且つ様々なシーンに幅広く使えそうなものばかり。ストールが大好きな私にとっては、まるで宝箱を探し当てたようなこのお店。足繁く通ってしまいそうなのは間違いありません!

【画像】
左:ストール左から・霧のように細やかで優しい感触に職人技が光る逸品。首元をゆったり巻いても両端を充分に垂らせる長さも絶妙。カシミア100%。「ミストロング」(全6色、45×270cm)¥47250、全体の2/3程のプリント柄は、巻いた時に洗練された印象を醸し出す絶妙のバランス。シルクカシミア。「バイアスプリント」(全4タイプ、70×200cm)¥29400、カシミアのなかでも最も繊維度が細かいブラウンカシミアを使用。無染のため、使うほどに素材独特の柔らかさ・光沢・風合いが増すのも楽しみ。「ブラウンカシミア」(50×180cm)¥52500、マシュマロのような肌触りとシルクの上品な艶がバランスよく共存。エレガントからカジュアルまで幅広いシーンで活躍してくれそう。シルクカシミア。「Mashma」(全8色、100×180cm)¥29400
右:購入した商品はすべて桐の箱に入れてくれるというのも嬉しいポイント。桐箱は、防湿、防虫効果に優れていることから、“天然素材を生かしたストールを自然の知恵で大切に保管して欲しい”というオーナーの気持ちが込められているそう。もちろん、プレゼントにも最適。

Koma aoyama
電話番号 03-6419-7710

Column

河井真奈の「デイリー名品」

CREAでもお馴染み、スタイリストの河井真奈さんが見つけた、日常で愛用できる「ファッションの名品」をお届け!

2012.09.06(木)
text:Haruko Murakami