自分を殺して、監督にすべてを叩きこまれた最新作

――さて、出演最新映画の『スープ~生まれ変わりの物語~』ですが、野村さん演じる三上は、生瀬勝久さん演じる主人公・渋谷の生まれ変わりという、ユニークかつ複雑な役柄ですが、演じるのも大変ではなかったでしょうか?

 役作りと言いますか、監督との特訓の日々でしたね。野村周平を殺して、三上のキャラクターをどうやって作っていくか、というところから始まりました。たとえば、頭をかいてしまうとか、僕が芝居で自然とやってしまうクセも否定されて、基礎から叩きこまれました。あと、三上は渋谷さんの生まれ変わりの役ではあるんですが、生瀬さんと僕の撮影が同時進行だったので、これを真似すればいいというような、渋谷さんのクセのようなものがまだひとつもなかったんです。だから、自分の撮影が休みのときに、生瀬さんの出演シーンを見に行ったりしていましたね。

――野村さんが監督に対して、意見を出されたことはあったんでしょうか?

 僕が意見しても「周平ちゃん、それ違う! もっと台本読み込んで!!」と言われるだけでした。だから、何回読んだか分からないぐらい台本を読み返しましたね。そういうやり方に対し、だんだん自分の中では疑問も出てきていたんですが、試写で完成した作品を見ると、「やっぱり監督の言うことは正しかったんだ!」と思いましたね。そういう意味では、この映画も自分を変えさせてくれた作品といえますね。

――では、野村さんがこの作品の出演を通じて、いちばん学んだことを教えてください。

 基礎というか、一からやり直せたということですね。芸歴的にはまだ3年程度ですけれど、ちょっとずつ自分の演技プランみたいなものが固まりつつあったんですよ。でも、その積み上げてきたものを一回ブッ潰して、もう一回見直した方がいいんじゃないか、ということを学んだ気がします。それと、この作品以降、芝居中の無駄な動きをなるべくなくすことを意識するようになりました。

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2012.07.02(月)
text:Hibiki Kurei
photographs:Tatsuo Harada
styling:kyu(Yolken)
hair&make-up:Akihiro Ohnami