「漫画家として」

代表作『ヘルタースケルター』ほか、33冊の単行本

 1985年刊行の処女作『バージン』から2011年の『森』まで、刊行された作品集は33冊。デビューから休筆まで十数年の間に、彼女が「女のマンガ道」を究めていった道筋がたどれる全作品ガイド。『岡崎京子の仕事集』では、新装版や外国語版のカヴァーも紹介しています。

『pink』
――90年代へのサバイバル序章、幕開け

 ペットのワニの餌代を稼ぐために夜は売春をしている、OLのユミちゃんがヒロイン。80年代バブルの匂いがたちこめる中、「普通に」壊れてしまった女の子の「愛」と「資本主義」をめぐる冒険と日常の物語。

『リバーズ・エッジ』
――前人未到のマンガ道へ、出帆の衝撃作

 河口近くの河原で朽ちてゆく死体を宝物のように見にいく、高校生の山田、ハルナ、こずえ。十代の危うい精神領域を描き、誰もが岡崎京子の代表作としてあげる名作。

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2012.07.06(金)

CREA 2012年8月号
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この記事の掲載号

今夏はすっぴんハワイ!

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