王家のカントリーハウスで優雅なる英国を堪能

庭師デイヴィッドの楽しいガーデンツアー

ウィリアム3世の妃メアリー2世の部屋。現在の1号室からは、庭が睥睨でき、さながらロイヤル気分の滞在が味わえる

 グウィネス・パルトロウやラッセル・クロウ、トニー・ブレアらが宿泊客に名を連ねるこのホテル。

 天井の高いクラシックな空間で、優雅なる英国を堪能するもよし。スパのプールにてひと泳ぎ、エステを受けてリラックスというのもありだろう。

 くわえて、このホテルならではのお楽しみが、ヘッド・ガーデナーのデイヴィッドによるガーデンツアーだ。彼はゴールデン・アワードコレクターと呼ばれるほどの庭師で、このホテルで29年、庭造りをしている。そんな彼の案内で、六本木ヒルズの敷地ほどの庭を巡るのは、なかなか興味深い。 

左：デイヴィッドの考えで、庭では絶滅危惧種の樹木を育てる試みもなされている
右：ベジタブルガーデンで収穫された野菜は、レストランで使用。カモミールティーもこの庭特製だ

 珍しい樹木の紹介から始まり、樹齢の測り方や庭造りの考え方。整形ガーデン、ベジタブルガーデン、白い庭、バラの庭など、さまざまな演出法を教えてくれる。匂いのする樹木を要所に植えることも重要なポイントで、庭が目で楽しむだけのものではないことも教示。ジョークを交えた彼の話は楽しく、取り立ててガーデニング好きでなくとも、聞き入ってしまうはず。1時間半の戸外レクチャーは、ホテルへの親密度を増してもくれる。

 後はゆったりアフタヌーンティーを。詳しくなった庭を眺めながらテラスで、またはエレガントなラウンジ、あるいは部屋で楽しむのもありだ。

 ヨークの街に出て、古都の風情にふれるのもいいが、こんなゆっくりとしたホテルライフも、英国的でよいのではないだろうか。まして庭巡りは、いかにもブリティッシュな感じ。

左：18世紀の農家だった家屋が、スパ棟
右：新しいコートヤードのベッドルームは、英国的花柄ベースの内装が女子好み

photographs:Yuji Ono
realization & text:Satsuki Ohsawa
coordination:Mihoko Ogawa-Higgins
Special Thanks:Visit Britain(www.visitbritain.com) / Cumbria Tourism / National Trust / VisitLiverpool / Marketing Cheshire / Visit Stoke-on-Trent / Visit York / Virgin Atlantic Airways Ltd. / RAILEUROPE