北イングランドを代表する宗教・文化の中心地、ヨーク。15世紀から続く王室洗足式の場所となる大聖堂をはじめ、落ち着いた魅力に満ちたこの地を2回にわたり紹介します。今回は第1回目、文化を感じるおすすめスポット&グッズです。

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 今年、市政800年を迎えるヨークで、歴史的にも文化的にも、つねに街の中心となってきたのが大聖堂だ。この特別な場所は、7世紀に最初の教会が建てられるさらに以前、ローマ軍の要塞が築かれ、コンスタンティヌス大帝はここで皇帝即位を宣言する。

 羊毛取引で繁栄した街は、13世紀から約250年かけて北ヨーロッパ最大のゴシック様式の大聖堂を建造。その後、経済の中心としての地位は衰えるものの、宗教・文化の地としていまなおイングランド北部の中枢にある。

聖歌隊は男女別で2チーム。ヨーク・ミンスター・スクールの子どもたちの中から選ばれる

 その存在は、聖歌隊の歌う楽曲が1000年近く不変のものであると同様変わることなく、光を放っている。

街のランドマークは荘厳な大聖堂

ヨーク大聖堂

大聖堂のタワーから一望する街並み。275段の階段上りはキツイが価値はある

 落ち着いた家並み続くヨークの街にあって、ひときわ目を引くカテドラル。このヨーク大聖堂は、英国国教会においてカンタベリー大聖堂に次ぐ主教座を置く。この春、戴冠60周年記念でエリザベス女王も訪問し、15世紀から続く王室洗足式なる儀式を行った。

現在、ステンドグラスの修復作業中。その作業工房を見学できるツアーもあって、興味深いのでおすすめ。約1時間 7.50UKポンド

 聖堂内、見所はたくさんあるが、ユニークなポイントもいろいろ。例えばステンドグラスの下部分は、職人の遊び心が許される場所。巡礼を描いたものなのに、鹿を追う犬や猿の葬式を仕込んだステンドグラスがあるので、探してみよう。

 また、聖堂の窓は全部で128。この中に、1セットだけ20世紀のガラスを使ったものがある。1903年の改修時のものだが、さて新しいガラスを見つけられるか。

 型通りの見学ではつまらない。基礎知識はガイドブックで仕入れておいて、レアな質問をガイドにしてみよう。彼らの知識がなかなかなものだと分かるはずだ。

York Minster (ヨーク大聖堂)
住所 Ogleforth, York, North Yorkshire YO1 7JN
電話番号 +44-84-4939-0011
URL www.yorkminster.org
開館時間 9:00~17:00(日曜12:00~、11~3月9:30~)
※礼拝中は観光入場不可のことも
拝観料 大聖堂+タワー 14UKポンド、タワー 6UKポンド
※礼拝のための入場は無料

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photographs:Yuji Ono
realization & text:Satsuki Ohsawa
coordination:Mihoko Ogawa-Higgins
Special Thanks:Visit Britain(www.visitbritain.com) / Cumbria Tourism / National Trust / VisitLiverpool / Marketing Cheshire / Visit Stoke-on-Trent / Visit York / Virgin Atlantic Airways Ltd. / RAILEUROPE