今年1年にわたって、世界12都市で繰り広げられるOMNIVORE(オムニヴォール)主催のワールドツアー・フードフェスティバルが話題になっています。3月11日~13日には本拠地パリが開催地となり、世界中から話題の料理人たちが、技とエスプリを披露する競演となりました。

 Omnivore(オムニヴォール)は、筋金入りのグルマン、リュック・デュバンシエによって立ち上げられた月刊誌です。オムニヴォールとは、“全部食べ尽くす!”という意味の造語。デュバンシエはもともと、ラジオ局のリポーターでしたが、ミシュランと並ぶ料理雑誌&ガイドで知られる“ゴー・ミヨ”社に入社。雑誌とガイドのディレクターを務めていました。

 そして、そのときに、格付けでない、才能ある若手の料理人たちをフィーチャーしていきたいという気持ちが高まって、このOmnivoreを2003年に立ち上げたのです。2006年からは、映画祭でも知られる海沿いの港町ル・アーヴルで料理フェスティバルOFFを開催して、その時から若手の料理人たちの仕事を発表する場を設けてきました。

 それから、新しいフランス料理界のオピニオン・リーダー的存在として、大きく成長してきたのです。今年からは新しい試みとして、世界12都市で料理フェスティバルを開催することに。

 12都市とは、ジュネーヴ、パリ、ブリュッセル、モスクワ、コペンハーゲン、上海、ニュー・ヨーク、モントリオール、サン・フランシスコ、リオ・デ・ジャネイロ、イスタンブール、シドニー(開催順)。Omnivoreの活動が世界へ向けて広がっていくという躍動を、パリのフェスティバルで感じました。

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text:Aya Ito