ザトウクジラが目の前で跳ねる!

 半島の先端に位置するロスカボスは、マリンアクティビティの聖地。冬から春にかけては出産&子育てのために太平洋を南下してきたクジラたちが姿を見せるため、ホエールウォッチングはぜひとも体験したいアクティビティだ。

 ホエールウォッチングツアーが出発するのはロスカボスの西側の街、カボ・サンルーカスのマリーナから。今回の取材では、軍用にも使われるというゾディアック社製のボートに乗って出発!

 ボートに乗り込む際に「このボートは多少の荒波や座礁にも負けない丈夫なものだから安心して!」とキャプテンのホセさんに言われたが、ホエールウォッチングのボートに果たしてそこまでの耐久性が必要なものなのか。そんな思いがふと頭をよぎったが、その疑問はこのあと大海原を疾走する間に感謝の気持ちへとかわることに。

 マリーナを出てほどなく右側に見えてくるのが、自然の力でアーチ状に削られたロスカボスの景勝地、エルアルコ。アシカが間近で泳いでいるのを眺めたりとのんびり気分で観光していたら、真っ黒に日焼けしたキャプテンのホセさんから「そろそろ行くよ!」の声。

 するとボートは一気に加速し、クジラを見ることができるスポットへとまっしぐら。遠くから見ると穏やかな海面だが、波を切るようにして走る高速ボートはなかなかスリリングな体験となった。

 ホセさんのナビゲートでクジラを探して、ついに……!

 取材日には、2時間ちょっとのクルーズで5、6回ほど、クジラが潮を吹く姿とジャンプを見ることができた。この日の海は穏やかで、少し荒れているくらいのほうがクジラはよくジャンプをするのだとか。多少の荒れた波でも、ゾディアック社製の頑丈なボートなら心配無用だ。

 また、ホエールウォッチングに使われるのはボートタイプだけでなく、中型のクルーザーもあるから、優雅なホエールウォッチングをお望みの方もご安心を。

2018.06.11(月)
文・撮影=請川典子