伊勢丹屋上の盆踊りで
チークダンスを披露

「ISETAN BONDANCE 2017」で熱唱する野宮真貴さん。浴衣がまたよく似合う。(C)時事通信フォト

 自分がもし女性だったら、ほんとに憧れてやまない存在でしょうね。まあ、女ではない男の僕も、野宮さんのエッセイ集『赤い口紅があればいい』を熟読して感心したりしているわけですが(笑)。

 その見た目に反して、キッスとかパンクとか、ハードなサウンドが好きなところも意外。実際、ロックなTシャツにデニムに革ジャンみたいな格好も似合うんですよね。ワイルドなライダー風なのに、フレンチっぽく上品な感じに仕上がる。これ、相当難易度の高い着こなしですよね。

 野宮さんと僕は、多くのデュエット音源を残しています。そのほとんどが、名曲のカバー。

 NHK「みんなのうた」で放送されていた「地球を七回半まわれ」、立木リサさんと今野雄二さんの「気分を出してもう一度」、吾妻光良 & The Swinging Boppersの「おもて寒いよね」、クロード・ルルーシュの名画『男と女』の同名主題歌、そして、僕が小泉今日子さんと中井貴一さんに提供した「T字路」のセルフカバー……。

 2016年の夏に新宿の伊勢丹の屋上で開催された“おしゃれ盆踊り”こと「ISETAN BONDANCE 2016」に出演した時も面白かったなあ。2人揃ってKEITA MARUYAMAの浴衣を着て、「男と女」をデュエットで披露したんです。

 その間奏ではチークを踊りましたが、野宮さんと僕がライブで共演する時は、チークが付き物。これがまた、ほんとにスムーズなんですよ。

 実際は彼女がリードしてくれているのに、傍目には、僕がエスコートしているように見える。その粋な気遣いにグッとくる。身のこなしも猫みたいに柔らかいから、自然にスッとフィットするんですよね。

 野宮さんとデートする機会に恵まれたなら、僕が運転するカッコいい日本の旧車の助手席に座ってもらいたい。いすゞベレット1600GT、同じいすゞの117クーペ、あるいは日野コンテッサ……。

 彼女はものすごく洗練された場所はたくさんご存じだと思うから、逆に、横浜の野毛とか本牧とか、横須賀のどぶ板通りとか、ディープなエリアにご案内したいですね。どんなシチュエーションに身を置こうと、カッコよく自分の色に染めちゃうんでしょうけど。

 もう、妄想が止まらなくなっちゃいますね(笑)。

横山剣 (よこやま けん)
1960年生まれ。横浜出身。81年にクールスR.C.のヴォーカリストとしてデビュー。その後、ダックテイルズ、ZAZOUなど、さまざまなバンド遍歴を経て、97年にクレイジーケンバンドを発足させる。和田アキ子、TOKIO、グループ魂など、他のアーティストへの楽曲提供も多い。2018年、クレイジーケンバンドはデビュー20周年を迎える。夏には3年ぶりとなるオリジナルアルバムのリリースを予定。9月24日(月・祝)には、横浜アリーナでデビュー20周年記念ライブも行われる。
●クレイジーケンバンド公式サイト http://www.crazykenband.com/

Column

横山剣の「俺の好きな女」

東洋一のサウンド・マシーン、クレイジーケンバンドを率いる横山剣さん。その常人の域を超えた旺盛なクリエイティヴィティにインスピレーションを与える源泉のひとつが、魅力的な女性たちの存在。これまでの人生で恋し憧れてきた、古今東西の素敵な女性について熱く語ります!

2018.04.28(土)
構成=下井草 秀(文化デリック)