1ツ星フレンチは伝統と創意が調和

フランス料理レストラン「ラ・べ」の店内。暖炉が優雅な空間を演出している。

 ディナーは、「ミシュランガイド 京都・大阪 2018」で1ツ星を獲得したフランス料理の「ラ・べ」へ。大西洋に面したフランス北西部ブルターニュ出身のシェフであるクリストフ・ジベールのクラシックな手法の中に創意あふれる料理が次から次へと登場する。

左:まずは、ザ・リッツ・カールトンのオリジナルラベルをまとった、きりっとした辛口のシャンパーニュで。
右:ブリのマリネ タルタル 日本酒風味ブランマンジェ キュウリのヴィネグレット キャビア。

 店名の「ラ・べ」は、湾を意味する。シーフードを引き立たせる食材やソースとの組み合わせは、特に素晴らしい。

 季節の一品では、ブリをキャビアが飾り、ディルがハーブのニュアンスを、レンコンが歯触りを、そして日本酒のブランマンジェが少し和の趣も感じさせる。

黒鮑の海藻蒸し 肝でリエした白ワインクリーム 穂紫蘇。
アマダイクリスピー 野菜のコンフィ ヴァンジョンヌソース。

 シグニチャーの黒アワビは、マッシュル―ムのソースとシブレット(チャイブ)が彩りも香りも添える。甘鯛のポワレは、ウロコがパリパリのフレイクのように立っていてびっくり。

こだわりのブルターニュのバター。
香ばしいパン、四角い形のブリオッシュ。

 シェフがこだわって取り寄せているというブルターニュのバター、無塩と海藻入りの2種類をローズマリーとレッドチリの塩と好みで混ぜるというプレゼンテーションも楽しい。

蝦夷鹿 コーヒーバターロティ セロリとカシス ポワブラードソース。

 最後の濃厚なワインのソースでいただく蝦夷鹿のグリルは、オーストラリアのワイン名産地として知られるマーガレット・リバーのシラーズで。「ラ・べ」は約400種類のワインを揃え、2017年には「ワイン・スペクテイター」誌のベスト・オブ・アワード・オブ・エクセレンスを受賞もしている。

 「ザ・リッツ・カールトン」らしいアートを感じるホスピタリティ。大満足のおこもりステイでした。

料理長のクリストフ・ジベール氏。ブルターニュと日本への愛情を感じるお料理だった。

 2018年3月1日(木)からは、桜の花で彩られた空間でシャンパーニュやイチゴのスイーツと共に大人の花見を楽しむ宿泊プラン、そして、スパやレストランでも桜をテーマにしたお楽しみのメニューがいろいろ登場するそう。館内でも桜らんまんの春にふさわしい「ザ・リッツ・カールトン大阪」の装いが楽しみだ。

ザ・リッツ・カールトン大阪
所在地 大阪府大阪市北区梅田2-5-25
電話番号 06-6343-7000
https://www.ritz-carlton.co.jp/

小野アムスデン道子 (おの アムスデン みちこ)
ロンリープラネット日本語版の立ち上げより編集に携わったことから、ローカルグルメや非日常の体験などこだわりのある旅の楽しみ方を発信するトラベル・ ジャーナリストへ。エアライン機内誌、新聞、ウェブサイトなどへの寄稿や旅番組のコメンテーター、講演などを通して、次なる旅先の提案をしている。
Twitter https://twitter.com/ono_travel

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2018.02.26(月)
文・撮影=小野アムスデン道子