まだ一歩を踏み出せない人へ

チャレンジ後に買ったスカート。「ひざ下丈」「シワにならない素材」「ネイビーのカラーリング」「アレンジしやすい」など、“自分のクローゼットに入れてもいい”条件をクリア!

 「1年間洋服を買わないチャレンジ」は松尾さんの日常を変え、当初の目的だった“着る服に迷わないクローゼット”をも完成に導いた。

「いまは、所有しているすべての服が大好きで、何を持っているのか把握できている心地よさがあります。どれを手にしてもいまの気分にマッチして、デザインも着心地も満足しているものだから、以前のように着たい服がないと悩むこともなくなりました。

 中には、年に1回着るか着ないかの服もあるけど、目にするたび楽しい気分になれるので、それはそれでよし! 自分のクローゼットに合うものなら、着る頻度に関係なく残しておいていいと思っています」

 これまでの日常を大きく変える「1年間洋服を買わないチャレンジ」は、冒険が必要な20代を経た、30代以降のすべてのファッションに悩む女性におすすめできる。でも、まだその一歩が踏み出せない、という人のために、松尾さんから最後のアドバイス。

「このチャレンジは、得るものは多く、失うものは何もなし。自信を持っておすすめしますが、もし、チャレンジを躊躇するなら、『いま必要な服を買う』『迷ったら買わない』『この値段なら、で服を買わない』、の3つを心がけるだけで、クローゼットが変わっていくと思います。

 いま必要な服だけを探していれば『あったら便利かも』という中途半端な買い物が減るし、以前は私も迷ったら買う派だったけど、欲しい気持ちは一過性のことがほとんど。買わずに帰って後悔することって、ほぼありません。それからいまは服の値段が安くなっているし、セールでも『この値段ならいいか』って、ちょっと気になるところには目をつぶって購入してしまいがちじゃないですか? でも、着るたびに何か引っかかるところがある服って、最終的に着なくなるもの。いまは、この3つさえ守れないと思うかもしれないけど、そんな人にこそ『1年間洋服を買わないチャレンジ』が、本当はおすすめ(笑)。

 服を買わない、たったそれだけのことで、買い物や毎日の服選びのストレスから解放されますよ!」

【「1年間洋服を買わないチャレンジ」を達成して変わったこと】
(1) クローゼットにあるのは好きな服だけ。まあまあ好きな服でさえ仲間入りさせたくない! と思うようになった。
(2) 持っている服をすべて可視化して、死蔵品のないクローゼットを手に入れた。
(3) 基本の3色を決めたから、買う洋服に悩まなくなった。
(4) ファッションはセルフブランディング。自分をどう見せたいかが大事だと気づいた。
(5) 部屋着が必要なくなり、家でもお気に入りの服で過ごすようになった。
(6) パジャマ、スリッパ、タオルなどの質にこだわるようになった。
(7) 本当に気に入った服を必要なときにだけ買うようになった。

 そのほか、まだまだいいことがいっぱい!

『クローゼットがはちきれそうなのに着る服がない! そんな私が、1年間洋服を買わないチャレンジをしてわかったこと』

著・松尾たいこ
本体1,300円+税 扶桑社刊
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松尾たいこ(まつお・たいこ)
イラストレーター/アーティスト。広島県呉市生まれ。約10年の自動車メーカー勤務の後、35歳でイラストレーターに。企業の広告や書籍の装丁などで幅広く活躍中。近著に『東京お遍路ゆる散歩』(キノブックス)、『35歳からわたしが輝くために捨てるもの』(かんき出版)など。2014年より福井で陶器作品の制作を開始。現在、東京・軽井沢・福井で三拠点生活を送る。2018年1月19日(金)~2月12日(月・祝)、六本木ヒルズ A/Dギャラリーで個展を開催。
公式ブログ http://ameblo.jp/taiko-closet/
公式サイト http://taikomatsuo.jimdo.com/

2018.01.27(土)
文=今富夕起
撮影=平松市聖