身体はすっきりデトックスされていた

朝食時には、大きなテーブルに所狭しと器が並ぶ。

 朝、起きて驚いた。前日は昼に肉をたらふく食べ、夜も炊き込みご飯をお代わりして食べ、食後には部屋で自家製のからすみとチーズをいただきながら日本酒で二次会。いつもなら身体が重くなりそうな朝なのに、すっきり起きることができて胃腸も軽い。これが発酵食の力なのだと実感した。

これが1人分。粗食のように見えても、とびきり贅沢な朝食だ。

 展望露天風呂でさっと朝風呂をして着替えると、朝食が始まった。大きなテーブルには所狭しと器が並び、それぞれに少しずつ、そして驚くほどたくさんの種類の自然の恵みが盛りつけられていた。

手前は鮎の一夜干し、その左は実山椒、左上の小鉢は魦(イサザ)、その右の皿に載っているのは、左が稚鮎、右がゴリ。
氷魚(ヒウオ)とネギの鍋。何杯でも食べられそう!

 並んでいたのは、鮎の塩焼きを中心として、稚鮎、ゴリ、魦(イサザ)、鹿肉の茶碗蒸し、琵琶鱒の味噌汁、そして、自家製の梅干し、実山椒など。テーブルの中央に置かれていたのは、たっぷりのネギと氷魚(ヒウオ)の鍋だ。そのどれもに素材の味が生きていて、命を美味しくいただいている実感がある。

ご家族でお見送りしていただいた。右からご主人の徳山浩明さん、女将の純子さん、二代目の舞さん。

 「徳山鮓」は、ランチでも訪れることはできるが、できれば宿泊したい。ほかではいただくことができない贅沢なこの朝食は、宿泊客だけに供される特別な食事だからだ。奇跡のような朝食を食べ終えてチェックアウト。ご家族に見送られながら、そして、再訪を近いながら「徳山鮓」を後にした。

徳山鮓(とくやまずし)
所在地 滋賀県長浜市余呉町川並
電話番号 0749-86-4045
http://www.zb.ztv.ne.jp/tokuyamazushi/

「七本鎗」の蔵元。レンタカーを使うなら「徳山鮓」の帰りに寄りたい店だ。

 帰路は余呉駅ではなく、同じグループの皆さんのレンタカーに同乗させていただき新幹線の米原駅へと向かった。その途中、1カ所寄り道をした。「徳山鮓」の夕食時にいただいた、460年の歴史を誇る滋賀の銘酒「七本鎗」の蔵元、「富田酒造」だ。

店内にある「七本鎗」の看板は、若き日の魯山人の筆によるもの。

 店内には代表的な酒米の稲穂などが飾られていたりして楽しい。お酒だけでなく、酒粕や酒粕を使った石けん、酒粕ジェラート、酒瓶の形の携帯ストラップ(2018年夏頃まで欠品中)も買うことができる。レンタカーを使うのであればぜひ立ち寄りたい。

「徳山鮓」の夕食時にいただいた酒を購入することができる。
酒粕を使った石けんと酒瓶の形の携帯ストラップ(現在欠品中)。どちらもお土産に喜ばれそう。

富田酒造
所在地 滋賀県長浜市木之本町1107
電話番号 0749-82-2013
http://www.7yari.co.jp/

たかせ藍沙 (たかせ あいしゃ)
トラベル&スパジャーナリスト。渡航150回超・70カ国超、海外スパ取材250軒超、ダイビング歴800本超。日々楽しい旅の提案を発信中。著書は『美食と雑貨と美肌の王国 魅惑のモロッコ』(ダイヤモンド社)、薔薇でキレイになるためのMOOK『LOVE! ROSE』(宝島社)など。楽園写真家・三好和義氏と共著の『死ぬまでに絶対行きたい世界の楽園リゾート』(PHP研究所)は4刷で、台湾・中国にて翻訳出版、第2弾『地球の奇跡、大自然の宝石に逢いに… 青の楽園へ』も中国で出版された。『ファーストクラスで世界一周(仮題)』近日刊行予定。
Twitter https://twitter.com/aisha_t
ブログ http://ameblo.jp/aisha
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Column

トラベルライターの旅のデジカメ虫干しノート

大都会から秘境まで、世界中を旅してきた女性トラベルライターたちが、デジカメのメモリーの奥に眠らせたまま未公開だった小ネタをお蔵出し。地球は驚きと笑いに満ちている!

2017.12.27(水)
文・撮影=たかせ藍沙