豪州の“スピリチュアル・キャピタル”

1960年代、サーファーが訪れるようになり、ツーリストへ門戸が開かれました。(C)Tourism Australia

 次に訪れたのは、バイロンベイの文字通りメインビーチである、メインビーチ。東端にある「ザ・パス」は時に4~5フィートの波に500メートルも乗れるという、ハイパーなサーフスポットです。ビーチではサーフスクールのグループやカイトサーファーなど、みんな楽しそう。

「ザ・パス」の小高い岩山からサーフスクールの様子をウォッチング。水温はまだ冷たく、フルスーツで体験中。

 バイロンベイにロングボーダーが訪れたのは1960年代。それまで林業や捕鯨などの産業が主だった街が、これを機にツーリズムへと舵を切りました。

 そして1973年、学生によるカウンターカルチャーの祭典、伝説の「アクエリアス・フェスティバル」によってヒッピーが大集結。サステイナブルなライフスタイルが声高に提唱されました。

ローソンストリートに面した、おしゃれなクロージングショップ。
ゆるりとした空気が流れる街。インスタ映えする風景があちこちに。

 バイロンベイが自由な気風にあふれ、オーガニックやヘルシーなことへの関心が高いのは、この背景があるからかもしれません。また、オーストラリアの“スピリチュアル・キャピタル”とも呼ばれ、ヨガもさかん。サーファー、ヨギー、アーティストが引き寄せられる、心地よいバイブスがこの街には流れているようです。

左:海沿いに立つ「ビーチ・バイロンベイ」の裏口では、テイクアウトコーナーが。
右:焼き立てのパンのこうばしい香りに誘われて。

 さて、帰ろうか。

 その時、はっと気付きました。カーナビではなく、スマホのナビを使えばよかった、と。おかげでゴールドコーストへの帰路はスムーズでしたとさ。

バイロンベイ
●アクセス ゴールドコーストから車で南へ約1時間30分
●おすすめステイ先 ジ・アトランティック・バイロンベイ
https://atlanticbyronbay.com.au/

古関千恵子 (こせき ちえこ)
リゾートやダイビング、エコなど海にまつわる出来事にフォーカスしたビーチライター。“仕事でビーチへ、締め切り明けもビーチへ”をループすること1/4世紀あまり。世界各国のビーチを紹介する「世界のビーチガイド」で、日々ニュースを発信中。
「世界のビーチガイド」 http://www.world-beach-guide.com/

Column

古関千恵子の世界極楽ビーチ百景

一口でビーチと言っても、タイプはさまざま。この広い世界に同じ風景は一つとして存在しないし、何と言っても地球の7割は海。つまり、その数は無尽蔵ってこと? 今まで津々浦々の海岸を訪れてきたビーチライター・古関千恵子さんが、至福のビーチを厳選してご紹介します!

2017.10.07(土)
文・撮影=古関千恵子