サファリ気分を邪魔しない極上の様式美

左:ゲストラウンジ。一番奥はバーカウンター。調度品はすべて建築家のクリス・ブラウン氏が、デリーなどの骨董品屋で入手したもの。一つひとつにセンスが光る
右:ダイニングルームの外にあるテラス。鬱蒼と茂る緑に囲まれ、空気が実に素晴らしい。ここで朝食や昼食がとれるとは、なんというゼイタク!

 パシャン・ガール――“石の家”のデザインコンセプトは、インド中北部の建築様式に想を得たものだ。ヴィラの室内はもちろん、ダイニングの床や壁、ラウンジも同様に、心憎いまでに統一感がある。粗く削り取られた石の壁、白い大理石、革の家具、黒檀がパーツを成し、品の良い優雅がそこかしこに漂う。

黒檀のダイニングテーブル。真ん中にはコミカルなワニの装飾

 何よりも大事なのは、そうしたデザインが大自然の真っ只中にあることと微塵も齟齬をきたしていないことだ。ゆえに、施設内のどこにあっても、心地よい高揚感と解放感とをもたらしてくれる。それはなかなか容易なことではない。

 ラウンジ脇のショップでは、帽子やバッグや文具など、いかにもサファリらしいグッズはもちろん、極めて高品質のパシュミナのストールを、驚くほど安価で求めることができる。

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photographs:Kinta Kimura
coordination:essendo