湖水の冷たさに全身がしびれる!

ナシ湖の湖畔に立つラウハニエミ・サウナ。みんなのコミュニケーションの場です。

 ナシ湖に面した、ローカル御用達のサウナ、ラウハニエミ・サウナへ、地元のスタッフが同行してくれるツアーです。もちろん、サウナへは自力でバスに乗って行くこともできますが、はじめての体験となれば、先生にたよりたい。しかも、水着さえあれば、あとのアイテムは用意してくれるのです。

 巨大なスーパー銭湯をイメージしていたラウハニエミ・サウナは、1929年から操業している、湖畔に佇む掘っ立て小屋(失礼!?)。男女別の更衣室と、2つのサウナがあります。

 水着に着替え、耳や髪をガードする帽子をかぶり、いざサウナルームに出陣です。7×4メートルほどの部屋に、3段のひな壇があり、男女取り混ぜ、人でびっしり埋まっています(この街でいちばん人口密度が高い場所かも)。

 周囲を見回すと、外国人を珍しがったりはせず、会話もあまり交わさず。自分のペースで、頃合いを見て熱くなったら、サウナルームから出て、すぐそばの湖へ。

サウナルームの熱を冷ましに、冷たい湖へ。あまりの冷たさに、最初は全身しびれる感じ。

 これが、一歩水に入った途端、思わず、小さな悲鳴が。驚くほど、冷たい! 心臓マヒを恐れつつも、ゆっくり入っていくと、爪先から頭まで引き締まる感じがします。

 この冷水刺激が二度目から快感になり、それからは三度、四度と、繰り返す。サウナから出てきたら、すっきりさっぱり、心地よい疲労感が味わえました。

ナシ湖の湖畔で夏の午後を楽しむ地元の人々。
サウナ近くにある水浴場には、小さな子供連れの家族も多くみかけます。

 フィンランドの暮らしに、サウナと同様、欠かせないのが、サマーコテージでしょう。多くの家庭がサマーコテージを持ち、夏の週末や3、4週間も取る長い夏休みに、家族や友人と過ごします。

フィンランドの人に「夏休みの予定は?」と尋ねると、「サマーコテージで家族と一緒に」との答えがほとんど。(C)フィンランド政府観光局

 ログハウスの装備はシンプルです。電気が通っていることはあっても、水は共同水場へ汲みにいき、暖房は薪ストーブ。それでも、サウナはあります。湖畔のサマーコテージでサウナに入り、熱くなったら、湖へジャンプ。そんな夏休み、うらやましいですね。

タンペレ
●アクセス ヘルシンキから電車で1時間30分
●おすすめステイ先 ラップランド・ホテルズ・タンペレ
https://www.laplandhotels.com/EN/urban-hotels/tampere/lapland-hotel-tampere

【公衆サウナツアーの問い合わせ先】
Adventure Apes(アドベンチャー・エイプス)

http://www.adventureapes.fi/

【取材協力】
フィンエアー

http://www.finnair.co.jp/

Visit Tampere
https://visittampere.fi/

Visit Finland(フィンランド政府観光局)
http://www.visitfinland.com/ja/

古関千恵子 (こせき ちえこ)
リゾートやダイビング、エコなど海にまつわる出来事にフォーカスしたビーチライター。“仕事でビーチへ、締め切り明けもビーチへ”をループすること1/4世紀あまり。世界各国のビーチを紹介する「世界のビーチガイド」で、日々ニュースを発信中。
「世界のビーチガイド」 http://www.world-beach-guide.com/

Column

古関千恵子の世界極楽ビーチ百景

一口でビーチと言っても、タイプはさまざま。この広い世界に同じ風景は一つとして存在しないし、何と言っても地球の7割は海。つまり、その数は無尽蔵ってこと? 今まで津々浦々の海岸を訪れてきたビーチライター・古関千恵子さんが、至福のビーチを厳選してご紹介します!

2017.07.15(土)
文・撮影=古関千恵子