誰もが病気になったらどうしようと思うものです。真っ先に思いつくのが医療保険かもしれませんね。しかし、その前に確認をしておきたいのが、国の健康保険制度や会社の福利厚生についてです。保険料は毎月の大きな固定費となるため、メリハリをつけてかしこく加入する必要があるのです。

 健康保険証を提示すれば病院での窓口負担は3割ですね。また、自分で負担しなければならない医療費には上限があるのはご存知でしょうか。

 例えば、月の医療費が100万円掛かったとしても、1カ月の自己負担限度額の上限は8万7430円(月収53万円未満の人の場合)になります。この自己負担限度額を超えた部分が払い戻される「高額療養費制度」があるからです。ただし、自分で個室を希望した時の差額ベッド代などはこの対象にはならないので気をつけるようにしましょう。

 健康保険組合によっては、独自に「付加給付」を行なっているところもあります。例えば、1カ月に1件あたりの自己負担額が2万5000円を超えた場合、超えた分を払い戻すなどといったものです。この付加給付制度は会社によって異なりますので、担当者に確認してみましょう。

 もう一つ覚えておきたい制度は「傷病手当金制度」というものです。病気やけがをして会社を休み、十分なお給料が受けられない場合にも、健康保険から傷病手当金を受けることができるのです。会社を休んだ日が連続して3日間を越えると、4日目から、1日につきお給料の2/3相当額が支給され、支給期間は最長1年半です。

 この2つの制度に加えて、医療用の貯金が200万円程度あればとても安心です。貯金が全くないという人は、民間の医療保険を利用するというのも一つの手です。その場合、必要な保障に絞り込むこと、安価な保険を選ぶことがポイントになってきます。

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2012.03.19(月)
text:Yoko Hanawa
photograph:Nanae Suzuki