日本一路線距離の長い
ケーブルカーに乗車

京都側と滋賀側を見渡せる坂本ケーブルの延暦寺駅近くにある見晴らし台からの眺め。

 「星野リゾート ロテルド比叡」からの帰路、全国に3800余あるという日吉・日枝・山王神社の総本宮である日吉大社の門前町である坂本を経て、JR比叡山坂本の駅から鮒鮓(ふなずし)を作っている「四〇〇年鮒寿し 総本家 喜多品老舗」のある近江高島駅へ向かうことにする。

 まずは、「星野リゾート ロテルド比叡」から坂本ケーブルの駅まで無料シャトルを利用。ケーブル延暦寺駅の手前の駐車場は県境にあって、滋賀側と京都側の両方の素晴らしい眺めが広がる。

重厚感ある延暦寺駅(左)と坂本駅(右)は、ともに登録有形文化財に登録されている。

 坂本ケーブルは、2017年で開業90周年。頂上の延暦寺駅も麓の坂本駅も、大正ロマンの面影を残す洋風建築で登録有形文化財。ケーブルカー路線として日本最長の2025メートルを約11分かけて上り下りする。

角度のある斜面を行く坂本ケーブル。車内でケーブルのいわれなど聞きながらの乗車はなかなか楽しい。

 レトロな車両は、ヨーロッパ調のかわいいデザイン。「縁」と「福」と名付けられた2つの車両が運行している。夏は濃い緑、秋には紅葉に囲まれ、琵琶湖まで一望する眺望の旅を楽しめる。

2017.06.18(日)
文=小野アムスデン道子
撮影=鈴木七絵