〆は、麺でも炒飯でもなく……
なんと、カレー!?

 野菜も少し挟んでみよう。旬野菜と干しエビの炒めもの(980円)。

 2種のズッキーニとインゲン。野菜メニューに関しては、四季を通じて旬のものを取り入れていくという。

さっくり軽い仕上げ。箸休めにもいい。

 レバニラ(980円)も洗練されたルックス。

 四川の唐辛子やトーチーを使ってレバーを炒めてある。油で唐辛子を炒めると、鍋の上でできたてのラー油が完成。レバー自体に油が回っていないので、見た目よりもさっぱりいただける。ニラにはシャキシャキ感が残り、肉厚のレバーがまたうまい。

よくある町中華の甘いタレとは一線を画すピリ辛風味で、紹興酒に合う一品。

 ということで、チャイナガールを頼んでみた。紹興酒をベースに干しぶどうなどを漬け込んだシロップなどを入れてある。フローズンの苺を散らし、サングリア風でもある。

これからの季節にもぴったりだが、ついつい飲み過ぎてしまいそう……。

 焼キャベツの回鍋肉(1,280円)。

 回鍋肉も、オリジナリティあふれる仕上がり。ウエッジサラダのようにざっくりとカットしたキャベツを焼き、その上に、炒めた豚肉、ネギ、ニラをオン。本場ではピーマンは使わないのだ。

ピーシャン唐辛子の風味が効いている。

 酢豚(1,280円)の決め手は、ハチミツと塩。具材は本場にならってシンプルに。

 黒酢酢豚では時折豚肉と根菜のみの組み合わせを見るけれど、白い酢を使ってのこのスタイルは珍しいのでは?

さつまいもが大学芋のニュアンス。さらりと完食。

 おっ、メニューにポークジンジャー(1,280円)なるものを見つけてしまった。肉食女子として見逃すわけにはいかない。鉄鍋でジュージューいわせてやってくるポークジンジャー。香りのすばらしいこと! これは白飯必須だわ、と思っていたところに「もう、カレーもお持ちしましょうか?」と、マネジャーの川上氏。実に気が利く。

厚切りの豚肉にソース。下には玉ねぎが敷いてあり、これも美味。

 実は、中華屋のカレー(680円)は最初からお願いしておいた。じゃないと売れ切れてしまうから。ジャガイモ、ニンジン、トマトをペーストにし、飴色になるまで炒めた玉ネギを投入。驚くほど手間暇かけたひと品だ。こう書くと洋食店のカレーのようだが、食べてびっくり、しっかり中華!

 その秘密はスパイス。クミンやコリアンダー、ターメリックなどのほか、四川の唐辛子も使っているのだという。さきほどいただいたレバニラに使われているものと同じものだ。

「シェアします」といったらハーフで盛りつけてくれた。こういう心配りもうれしい。

 「おいしい中華を日常的に、そして、気軽に楽しんでほしい」と川上氏。

 慣れ親しんだ中華メニューの回鍋肉、酢豚、レバニラ。しかし、ここではそのどれもが想像を超えたものだった。まだ食べていない春巻やスペアリブにもきっと驚きがあるのだろう。深夜3時までやっているので、2次会にもよさそう……などと、昨日訪れたばかりにもかかわらず、再訪のタイミングを考えている私がいた。

Jiubar(ジュウバー)
所在地 東京都新宿区神楽坂2-12 神楽坂ビル3F
電話番号 03-6265-0846
営業時間 18:00~翌3:00(L.O. 2:00)
定休日 日曜・祝日
予算 4,000円~
[2017年5月訪問]

Keiko Spice(けいこ すぱいす)
東京都生まれ。得意なディスティネーションはハワイと香港。普段は3日に1回のペースで焼肉を中心とした食生活。別名「肉の妖精」。

Column

新店来訪! 美味しい出合いに一番乗り

ニューオープン、シェフやメニューが変わった店、面白い企画を立ち上げた店……などなど、なにかと「新しい」店を一番乗りで紹介するページ。「美味しい出合い」にご注目ください!

2017.06.05(月)
文・撮影=Keiko Spice