サゴパールやカヤジャムを使った
美しいスイーツ
「サゴ・クン・スリ・マラカ／Sagu Kung Sukri Malaka」25リンギット。もっちりやわらかなタピオカの食感、ココナッツミルクのクリーミーさ、椰子砂糖を溶かした黒蜜の濃厚な甘さが絶妙なハーモニー。
ぜひ味わってほしいのが、スイーツです。これはフレンチ？ と思うほど、美しい盛り付けで、心が躍ります。
ワイングラスに盛り付けられたサゴパールのプリン。サゴパールとは、サゴヤシのでんぷんを球状に固めたもので、タピオカにそっくり。これを型にいれてプリンのように固め、ココナッツクリームと黒蜜シロップをたっぷりかけます。
「カヤジャムともち米」は、マレーシアらしいスイーツ。もち米にジャム？と驚くかもしれませんが、食べてびっくり、これが意外に合うんです。おはぎや道明寺など、もち米の和菓子が好きな方は、ぜひお試しあれ。
「プルッ・クン・カヤ／Pulut Kung Kaya」25リンギット。カスタードクリームのような甘さのカヤジャムともち米を一緒に食べる。もち米がところどころ青く染まっているのは、バタフライピーという青い花びらの天然の色。鮮やかな青色をマラッカの人は好む。
このカヤジャムは、メルバシェフの自信作。「新鮮なココナッツミルクと卵黄を使って、時間をかけて仕上げるの。最低でも3時間はねって、スーパーリッチな味にするのよ」とメルバシェフ。
レストランの女性スタッフは、マラッカの民族衣装に身を包み、笑顔で迎えてくれる。
もともとは富豪の邸宅であったザ・マジェスティック・マラッカ・ホテル。白が映えるコロニアル様式で、マラッカの歴史をしのばせる優美なたたずまい。
レストランで提供している料理は、前菜からメイン、デザートまで全40種以上。いずれもメルバシェフの家の食卓に並んでいた伝統食です。豚肉を鶏肉にアレンジしている以外はほぼ料理本のレシピどおりに提供している、とのこと。
マラッカの歴史が育んだクリスタン料理が味わえる希少なレストラン。旅の思い出に、ぜひ訪ねてみてください。
Melba at The Mansion
(メルバ・アット・ザ・マンション)
所在地 188, Jalan Bunga Raya, Pengkalan Rama, 75100 Melaka
電話番号 06-289-8000
http://www.majesticmalacca.com/
マレーシアごはんの会 古川 音(ふるかわ おと)
「マレーシアごはんの会」にて、マレーシア料理店とコラボしたイベント、マレーシア人シェフに習う料理教室を企画・開催。クアラルンプールに4年滞在した経験をもち、『ニッポンの評判』(新潮新書)のマレーシア編を執筆。マレーシアごはんの会の活動のほか、情報サイト「All About」でのマレーシアライター、食文化講演も担当している。
オフィシャルサイト http://www.malaysiafoodnet.com/
Column
マレーシアごはん偏愛主義！
現地で食べたごはんのおいしさに胸をうたれ、風土と歴史が育んだ食文化のとりことなった女性ふたりによる熱烈レポート。食べた人みんなを笑顔にする、マレーシアごはんのめくるめく世界をたっぷりご堪能ください。
2017.05.30(火)
文・撮影＝古川 音(マレーシアごはんの会)
写真協力＝ザ・マジェスティック・マラッカ・ホテル
