これが正真正銘の世界初演!
来日公演のため創作された新作

ムーミン谷の仲間たちが手に手をとってのカーテンコール。

 2017年、独立100周年を迎えるフィンランド。日本でも祝賀イベントが各種予定されているが、その目玉のひとつが、初来日となるフィンランド国立バレエ団による“ムーミンバレエ”! 日本でいちばん有名なフィンランド人ともいわれる、あの人気者ムーミンがバレエを踊るのだ。

春の訪れにいち早く気付いた、ちびのミイ。雪の妖精たちと共に喜びのダンス。(C)Hidemi Seto
動きの俊敏さにかけてはピカ一のスニフ。待望の春の訪れに、嬉しさ炸裂の様子。(C)Hidemi Seto

 ムーミンバレエがはじめて上演されたのは、2015年、フィンランドにて。その時は、国民的人気者のムーミンのダンスに、子供から大人まで大喜び! その大反響に応えて、このたび第2回公演となる『たのしいムーミン一家 ~ムーミンと魔法使いの帽子~』が開催されることになった。今回は世界初演、しかも来日公演のために、新たに創作されたプログラムとなる。

 振付はニューヨークシティバレエ団など名立たるバレエ団で活躍してきたスターダンサーにして、フィンランド国立バレエ団の芸術監督のケネス・グレーヴが担当。音楽も、映画音楽やオペラ作品で知られるトゥオマス・カンテリネンが今回の日本公演のために書き下ろした。

春の訪れを告げられ、ベッドから思わず飛び上がるムーミン。(C)Hidemi Seto
春の陽気に誘われ、みんなでお弁当を持ってピクニックへ! (C)Hidemi Seto

 これまでもムーミン作品は映画や舞台などはあるが、バレエは難しいとされていた。というのも、高温な着ぐるみの中にいられるのは20分が目安と言われ、ぽってりとした体形は車体感覚(着ぐるみ感覚?)のようなサイズ感を取るのが難しく、なにより動きづらい。

 そして原作の世界観を大切にするムーミン・キャラクターズ社が、美術やキャラクターなど細かく内容をチェック。厳しい基準をクリアしなくてはならない。

2017.04.27(木)
文・撮影=古関千恵子