土ワイの象徴「混浴露天風呂連続殺人」

左:「混浴露天風呂連続殺人」シリーズにとどまらず、TVドラマ版「失楽園」では川島なお美と一緒に入浴していたので、ある年代の視聴者にとっては、古谷一行というとやたらと風呂に入ってる人という印象がある。
右:筆者にとって木の実ナナのベストワークといえば、2005年頃、山川豊、黒谷友香という謎の面子が共演した「ウコンの力」のCMである。夜中にやたらと流れていた。

 そして、土ワイの代名詞とも言うべきシリーズが、「混浴露天風呂連続殺人」である。言わずと知れた古谷一行・木の実ナナ主演の人気作品だ。82年から2007年にかけ全26作がオンエアされ、四半世紀以上におよぶ金字塔シリーズとなった。

 2時間ドラマ=温泉という図式を定着させた功労者であり、同工異曲のドラマが量産されるようになったため、途中の何回かは「元祖!混浴露天風呂連続殺人」と銘打たれているのだから、その評判がうかがい知れるというものだ。

 人気の秘密は、とにかく裸に尽きる。混浴露天風呂を舞台に設定したことで、ストーリー上の必然として女性のヌードを露出させることが可能となったわけである。

 裸が見られますよというアピールは、サブタイトルからもしつこいほど伝わってくる。以下、ひたすら羅列が続くので覚悟して読んでほしい。

 「女子大生秘湯ツアー連続殺人・上州路に消えたヌードギャル」「那須の殺生石に消えたヌードギャル 女子大生塩原温泉めぐり」「雨の奥飛騨に消えた影・ヌードギャル秘湯ツアー 白骨-濁河-新穂高」「ヌードギャルみちのく秘湯激安ツアー・ランプの宿…」「那須高原に消えた美人ダンサーの秘密 ヌードギャルと温泉の鉄人秘湯ツアー」。

 ヌードギャルヌードギャルっていい加減うるせえよ! と叫びたくなるほどだが、筆者も40代半ばにもなってこんなに何度もヌードギャルなる言葉をタイプする羽目になるとは思わなかった。

本文とは関係ないが、こちらは草津温泉で芸者たちと混浴する山下清。「裸の大将」と「混浴露天風呂殺人事件」がコラボレートしてドラマを作ったら面白いのに。

 上記以外にも印象的な副題は多い。例えば、「謎の整形美女を追って列島温泉大縦断! 北海道-秋田-信州-九州 特選ギャル爆発入湯」。爆発入湯とは何であろう。気になって夜も眠れない。「世紀末! リストラ刑事とパラパラ温泉ギャル みちのく秘湯大追跡!」。もうダメだ。観たくて観たくてたまらない。

 2007年に放映された最終回は「ファイナル~箱根伊豆~さらば温泉刑事 セレブの夢が泡と散る18年前バブルに踊った女たちの傷跡」。しみじみとしてきた。終わらないで!

 本シリーズは、ゴシップ好きの間でも名を馳せる。ヌード要員として出演したAV女優の浅井理恵が、このドラマをきっかけに古谷一行と不倫したことを暴露したからである。しかし、古谷はこの一件を「はい、やりました」とあっさり肯定して取材陣を拍子抜けさせた。一方、浅井は記者会見を有料で行ったため総スカンを喰らう。芸能史に残る名エピソードである。

 2時間ドラマのもう一方の雄、「火曜サスペンス劇場」も忘れてはなるまい……と思ったところで紙幅が尽きた(ウェブなので尽きてはいないがあんまり長いと飽きるだろう)。ということで、火サスについては、もしも興味が持続していれば次回書いてみたい。

 とにもかくにも、「楽しいひとり温泉」を総力特集したCREA2月号をぜひご購入ください!

実際に温泉地で殺人事件が起こる確率は低いので、安心してひとりで泊まろう!

ヤング(やんぐ)
CREA WEB編集長。特技はダニエル・カールの物真似。

Column

CREA WEB編集室だより

このコラムでは、CREA WEB編集室の日常を彩るよしなしごとを報告しつつ、CREAおよびCREA Travellerのプロモーションに励んでいきます。紀尾井町から、さわやかな風をあなたに。

2017.02.02(木)
文・撮影=ヤング
写真=文藝春秋、共同通信

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