極上のホスピタリティは老舗ホテルの品格

「アルベアール・パレス・ホテル」は、外観も風格がある。11階建てで、197室の客室のうち半数以上の、110室がスイートルームだ。

 ブエノスアイレス随一の豪華ホテル、「アルベアール・パレス・ホテル」は、どうしても訪ねたいホテルだった。宿泊はできなかったけれど、ちょうど日曜だったので、サンデーブランチを楽しもうとタクシーを飛ばした。

居心地のいいロビー。待ち合わせの相手が遅れてきても楽しみながら待つことができそう。

 「アルベアール・パレス・ホテル」は、1932年創業の老舗ホテル。当時、増え続けるヨーロッパからの観光客を受け入れるために、それまでのブエノスアイレスになかった最高級の設えで造られた。

 ベルエポック様式で、大理石などの高級建材をふんだんに使い、ていねいな手仕事が施された内装は素晴らしい。客室には、ルイ15世、ルイ16世のスタイルを反映させたというクリスタルのシャンデリアや家具が配されている。

 あれこれ取材してからホテルに着いたのは、サンデーブランチ終了10分前。半ば諦めながら、「今からサンデーブランチ、大丈夫かしら?」と訪ねると、年配のウェイター氏は「どうぞ。お席にご案内します」と、笑顔で迎え入れてくれた。その所作のひとつひとつが、老舗ならではの気品に満ちていて、ホテルに到着してたったの10分で魅了されてしまった。

サンデーブランチは「ル・オランジュリー」で。まるで温室のような、そして楽園のような雰囲気。

 サンデーブランチを楽しむことができるのは、ふたつあるレストランのうちのひとつ、「ル・オランジュリー」。天井から自然光が降り注ぎ、緑が吊されていて、まるで温室のような雰囲気だ。

ひとつひとつていねいに作られたお料理が並んでいて、どれをいただこうか迷ってしまう。そして食べ過ぎてしまった(笑)。
デザートの種類も豊富。しかも、甘すぎず、すべてが美味しい!

 お料理は、ひとくちサイズにていねいに盛りつけられたものも多く、手間をかけてきちんと作られたものばかり。もちろん、前菜からデザートまで素晴らしく美味しかった。お料理を片づける時に声をかけてくれたこと以外は、急かされることもなく、最後はほとんど貸切状態で食事を終えることができたのだった。

アフタヌーンティーのセッティングがなされたテーブル。ここにも品格が漂う。
ロビーバーの壁や柱は大理石。テーブル席もいいけれど、ホテルのロゴが彫り込まれた木製のバーカウンターがいい感じ。

 食後には客室も見せていただいた。次にブエノスアイレスに来ることがあったら、少し無理をしてでも、ぜひとも滞在したいと強く思ってホテルを後にした。

ジュニアスイートの室内。客室も高級感がある。

Alvear Palace Hotel
(アルベアール・パレス・ホテル)

所在地 Av. Alvear 1891, C1129AAA Buenos Aires
電話番号 011-4804-7777
http://www.alvearpalace.com/

【取材協力】
アルゼンチン観光公社

http://www.argentina.travel/

メルコスール観光局
http://www.mercosur.jp/

エールフランス航空
http://www.airfrance.co.jp/

KLMオランダ航空
http://klm.co.jp/

たかせ藍沙 (たかせ あいしゃ)
トラベル&スパジャーナリスト。渡航150回超・70カ国超、海外スパ取材250軒超、ダイビング歴800本超。日々楽しい旅の提案を発信中。著書は『美食と雑貨と美肌の王国 魅惑のモロッコ』(ダイヤモンド社)、薔薇でキレイになるためのMOOK『LOVE! ROSE』(宝島社)など。楽園写真家・三好和義氏と共著の『死ぬまでに絶対行きたい世界の楽園リゾート』(PHP研究所)が4刷、台湾版・中国版出版。第2弾『地球の奇跡、大自然の宝石に逢いに… 青の楽園へ』も中国版出版。 『ファーストクラスで世界一周(仮題)』2017年春刊行決定!
Twitter https://twitter.com/aisha_t
ブログ http://ameblo.jp/aisha
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2017.01.10(火)
文・撮影=たかせ藍沙