音楽ビジネスとITに精通したプロデューサー・山口哲一。作詞アナリストとしても活躍する切れ者ソングライター・伊藤涼。ますます混迷深まるJポップの世界において、この2人の賢人が、デジタル技術と職人的な勘を組み合わせて近未来のヒット曲をずばり予見する!

 さて、近々リリースされるラインナップから、彼らが太鼓判を押す楽曲は?

【次に流行る曲】
w-inds.「We Don't Need To Talk Anymore」

デビュー15周年を迎えた国際派ユニット

伊藤 今回は、2016年でデビュー15周年のw-inds.の「We Don't Need To Talk Anymore」です。今年は出場しませんが過去、NHK紅白歌合戦に6回も出場している実力と人気を誇るヴォーカル&ダンスユニット。海外でも積極的にコンサートをして、アジアを中心に人気のある日本人アーティストですね。

山口 もう15年になるんですね。早いものです。

伊藤 ですね。デビュー当時はDA PUMPの弟分という印象だったような気がしますが、山口さんの彼らに対する印象はどうですか?

山口 そうですね。元ジャニーズ・エンタテイメントの伊藤さんは言いづらいと思うので、僕から説明すると、日本の地上波テレビ局では、男性アイドルはジャニーズ以外の出演に大きな障壁があります。どの局もジャニーズ事務所との関係は良好にしたいので、コンペティターとなり得るグループを推すことはしません。バラエティ番組への出演や大きなスポーツ大会のタイアップなどは非常に難しいわけです。

伊藤 ノーコメント……。

山口 オトナだ(笑)。読者のためにちょっとだけ補足すると、EXILEは、ダンスに特化して、しかも端的に言うと「髭生やしてるから別種」と、ジャニーズ事務所から思われている、K-POPも別のカテゴリーということで存在しているというのが僕の認識です。

伊藤 そうかもしれませんね。それに今はボーイバンドといわれる男性グループが多くなったので、山口さんのいうような地上波のテレビ局への出演が特定の事務所に偏ることも少なくなったように思います。w-inds.に関しても過去にはそういった障害を感じたことはあると思いますが、今では他のボーイバンドとの差別化を上手にできているんじゃないでしょうか。

2016.12.30(金)
文=山口哲一、伊藤涼