作品をみんなで作っている感覚の現場が好き

――ちなみに、本作の現場から感じたこと、学んだことはありますか?

 印象的だったのが、市井昌秀監督の「できるだけプランを立てず、現場に入ってほしい」という言葉です。自分でもそういう考えを持つことはあるんですが、監督が言ってくれることはあまりない。そういうスタンスで撮られた作品なので、とてもリラックスできた現場でしたし、監督の出演者に対する思いも伝わりました。その空気感が出来上がった作品に表れていると思います。

――17年は主演作『ポエトリーエンジェル』『神さまの轍 -CHECKPOINT OF THE LIFE-』の公開が控えていますが、これまでの助演から主演作が増えていくということを踏まえて、今後の展望を教えてください。

 具体的にこんな俳優になりたいというものはないんです。幅広くいろんな役をやらせてもらっているので、作品の中で核となる役を増やしていきたいです。『ぼくごは』の現場で改めて感じたんですが、作品をみんなで作っている現場が好きなので、これからもそういう作品に携わりたい。

――ちなみに、斉藤由貴さんと親子役で共演する「KDDI au」のCMが流れたことで変化はありました?

 外で声をかけられることが増えました。たくさんの方に知ってもらえるよう、まだまだ頑張らなきゃと思っています。

岡山天音(おかやま・あまね)
1994年6月17日生まれ。東京都出身。2009年、オーディションを経て、「中学生日記 シリーズ・転校生(1)~少年は天の音を聴く~」で俳優デビュー。その後、映画・ドラマ・CMなどで活躍。主な出演映画に、『麦子さんと』『合葬』『ライチ☆光クラブ』などがある。

『僕らのごはんは明日で待ってる』
明るく率直な同級生の小春(新木優子)と体育祭の競技でペアを組むことになった、無口で他人に無関心な亮太(中島裕翔)。小春からの突然の告白に戸惑うものの、いつしか彼女と付き合うことに。その後、大学生になった亮太は、優介(岡山天音)と出会う。
(C)2017「僕らのごはんは明日で待ってる」製作委員会
2017年1月7日(土)より、全国ロードショー
http://bokugoha.com/

くれい響 (くれい ひびき)
1971年東京都出身。映画評論家。幼少時代から映画館に通い、大学在学中にクイズ番組「カルトQ」(B級映画の回)で優勝。その後、バラエティ番組制作を経て、「映画秘宝」(洋泉社)編集部員からフリーに。映画誌・情報誌のほか、劇場プログラムなどにも寄稿。

Column

厳選「いい男」大図鑑

 映画や舞台、ドラマ、CMなどで活躍する「いい男」たちに、映画評論家のくれい響さんが直撃インタビュー。デビューのきっかけから、最新作についてのエピソードまで、ぐっと迫ります。

2016.12.23(金)
文=くれい響
撮影=佐藤 亘
スタイリスト=檜垣健太郎(little friends)
ヘアメイク=佐々木 彩