Magnificent View #1180
富士見櫓(東京都)

(C)Robert Harding Imagese / Masterfile / amanaimages

 東京の真ん中にあるものといえば、皇居。文字通り天皇の住居で、かつて江戸城があった場所だ。明治天皇が入城した当時は「宮城」と称されていたが、昭和23年以降、「皇居」と呼ばれるようになった。

 面積は約115万平方メートル。東京ドーム約25個分にあたる敷地内には、宮殿や天皇と皇后の住まいである御所、大祭が行なわれる宮中三殿などが立つ。

 そのなかで、ここが江戸城だった頃の面影を残しているのが、「富士見櫓」。1657年の大火で焼失した天守閣に代わり、城のシンボル的な役目を果たしてきた。江戸時代は将軍がこの櫓に昇り、富士山や両国の花火などを眺めたという記録も。

 櫓が立つ石垣造りには、加藤清正も携わったと言われている。堅牢な造りで、関東大震災でもびくともしなかったのだそうだ。

Column

今日の絶景

この広い地球上には、まだまだ知られざる素晴らしい景色がある。思わず息を飲んでしまう雄大な自然、ミステリーにあふれた驚きの奇観、そして、人間の文明が刻んだ偉大な足跡……。ここに、選りすぐりの絶景をお届けします。さあ、ヴァーチャルな世界旅行へと出かけよう!

2016.12.23(金)
文=芹澤和美