山深いアンデスの秘境に現れて、霊気を放ち、聖域の佇まいを見せる世界遺産マチュピチュ。高地マチュピチュの愉しみ方は滞在先で変わる。水辺のリゾートや絶景ロッジ、ゲートウェイの村まで。マチュピチュを満喫する秘訣はホテルにあり!

» 第2回 遺跡ゲート前に立つ天上のヒストリカル・ホテル
» 第3回 マチュピチュ村に親しむカジュアルラインホテル

多彩に揃う宿泊スタイル
聖なる谷での高地対策も話題に

リャマが現れるベルモンド ホテル・リオ・サグラド。

 マチュピチュの魅力は遺跡に限らず、周辺には美観の地も点在する。最近ではリゾートと遺跡巡りを合わせ、この地をゆっくりと味わう旅行者が少なくない。

 注目はクスコより標高が低い「聖なる谷」。なかでもクスコとマチュピチュを結ぶ聖なる北の谷は、インカ王家の離宮があった風光明媚な地。静寂に満ちた水辺には名門リゾートが立つ。美食やスパに浸り、豊かな自然と親しみ、高度に慣れながら冒険に備えることも。近隣のオリャンタイタンボ駅からマチュピチュ村の駅まで、列車で約1時間半。アクセスも良好だ。

 遺跡見学や周辺の山でのトレッキングにターゲットを絞った日程であれば、マチュピチュ村に滞在したい。各国からの観光客で賑わうゲートウェイだが、ほっこりする温泉もあり、素朴な雰囲気。多くの人は早朝、まだ暗い中を遺跡へと向かう。遺跡の入り口まではシャトルバスが運行。山頂では生涯、胸の奥で輝き続ける日の出が待っている。

ベルモンド ホテル・リオ・サグラドのガーデンプール。

 究極の体験を求めるなら、歴史あるベルモンド サンクチュアリー・ロッジへ。山頂の遺跡に隣接する唯一のホテルとして憧れを集め、山腹の建築群やワイナピチュ山も間近に見える。このホテルでは宿泊客のみに許された、早朝や夕刻の遺跡入場が見逃せない。客室から気軽に遺跡のゲートへ向かい、心ゆくまま、観光客が引いた町を歩くひとときは至福。夜はアンデス山脈を包む星空も忘れがたい。

 思いを叶えるマチュピチュへの旅。それはホテル選びから始まる。

Photo=Yuji Ono
Text=Masami Uwabo
Special Thanks=Walter Rodriguez、Sergio Shimabukuro