偉大なる建築家によるスケルトンの巨大ドーム

◆ La Biosphère(バイオスフィア)

アメリカから寄贈された別名「フラー・ドーム」。

 サンテレーヌ島全体が会場となった1967年のモントリオール万国博覧会で、アメリカのパビリオンとして誕生した「バイオスフィア」。現代のレオナルド・ダ・ヴィンチと称される建築家バックミンスター・フラーによる設計で、現在は水と環境の展示施設としてサン・ローラン川や五大湖の水のエコシステムを紹介。一見の価値ある現代建造物だ。

La Biosphère(バイオスフィア)
所在地 160 Chemin Tour-de-l’Isle, île Saint-Hélène, Montréal
電話番号 514-283-5000 http://labiosphere.be
開館時間 10:00~17:00
休館日 日~水曜
料金 15カナダドル

354個のキューブで構成する不思議住居

◆ Habitat 67(アビタ67団地)

多面体構造のモダニズム建築は近代的集合住宅の最高傑作。「眺めが良くて最高。離れられないわ」と住人を魅了するアビタ67団地。

 サン・ローラン川の急流を眺めるマルクドロウン岸壁に立つこの集合住宅は、マギル大学に在籍していた建築家のモシェ・サフディの修士論文を基に、1967年に開催されたモントリオール万国博覧会の主要テーマ「住宅計画」の一貫として建てられた。

高層階からはサンテレーヌ島やバイオスフィアが一望に。

 一世帯平均2~3個のキューブを所有、当初は低所得者層向けだったが、現在は建築家や音楽家などクリエイターやアーティストが好んで暮らしている。

左:セキュリティも厳重。プライバシーが保たれたアビタ67団地。
右:建築家所有の部屋をリノベーション中。建設当時を再現している。一般公開はされていない。

Habitat 67(アビタ67団地)
所在地 2600 Pierre-Dupuy, Montréal
電話番号 514-866-5971
http://www.habitat67.com/

“デザインとともに暮らせる”のが魅力

双子の兄弟、デクスター・パート氏(左)とバイロン・パート氏。2006年カナダ発のブランド「WANT Les Essentiels」を設立。旅行バッグなど上質アイテムが人気を博す。

 僕らのオフィスはモントリオールとニューヨークにあり、両都市から多くのインスピレーションを得ています。しかし、モントリオールをベースにすることは人生にも、ブランドのためにも重要で欠かせない部分です。ファッショナブルで生活水準が高く、活気あるナイトライフがあり、生き生きとした文化的にも豊かな街。その条件をすべて満たすのは、ここモントリオールだけ。僕たちの住まいはアビタ67団地で、旧市街やサン・ローラン川が見渡せ、緑豊かな素晴らしい公園も近い。旧港のヴュ・ポールや1976年に五輪が開催された跡地(オリンピック公園)など建築にも歴史があります。モントリオールは他にない特別な雰囲気をまとっていながら、それがとても心地いい。ここ以外での生活は考えられません。

WANT Les Essentiels
http://www.wantlesessentiels.com/

撮影=橋本 篤
取材・文=粂 真美子
コーディネイト=横田織部/pla-net inc.
地図制作=シーマップ
取材協力=カナダ観光局