マウナケア山頂から眺めるサンセットの美しさに、自然と涙が……

 18時頃、標高4205メートルの山頂地点の大地に降り立ち、辺りを見渡すと、宵闇がかったブルーの空を背景に、眩いばかりに輝くオレンジ色の夕日が。その光彩を受けて漂う雲海群の幻想的な光景と相まって、圧倒的な画として目に焼きつく。

足元に広がる雲海と沈みゆく夕日のコントラストは至極の美しさ。空気や風とともに、自然の壮大さを心身で感じるひととき。

 しばし絶景を堪能したあとには、撮影タイム! 風景はもちろん、自分も被写体に加わって、夕日を手の平に乗せてみたり、カップルや友人と一緒に手でハートを作ってその中に夕日を収めてみたり……。ガイドさんが積極的に撮影協力をしてくれるので、ぜひ思い出に残るとっておきの一枚を。

夕景をバックに感動のジャンプ! ガイドさんも自身の一眼レフカメラでツアーの様子を撮影してくれており、その画像は後日ホームページ上にアップされるので、こちらも思い出に。
日没後、山頂付近の東の空には地球の影が(濃いブルーの部分)。ピンクの部分は「ベルト・オブ・ビーナス」と呼ばれ、そのグラデーションはまるでアート作品のような素敵さ。

 日没後30分以内に山頂を出発しなければならないというマウナケア事務局の規定により、再びバスに乗り込み、星空観察をするため標高4000メートル付近地点へと下る。

遥か彼方、宇宙の光に出会う瞬間。両手いっぱいに星空を抱えて記念撮影。

 地球上の南と東の星座を一度に観測できる唯一のスポットであるマウナケアは、いわば世界でもっとも星が美しく見える贅沢な天体ステージ。山頂からは車で10分ほどで到着してしまうので、あたりはまだ宵の口。本格的に真っ暗になるまで、サービスのクッキーと温かい紅茶をいただきながら、天体ショー幕開けの瞬間をじっと待つ。

 19時半頃には、頭上を埋め尽くすほどいっぱいに星の煌めきが……。溶岩大地に腰掛け、目の前に広がるスター・パノラマに興奮を覚えながら、星座や天体についてレクチャーしてくれるガイドさんの声に耳を傾ける。運がよければ、流れ星と出会うこともできるそうだ。

ツアーでは、望遠鏡を使って月を観察することも。ガイドさんにお願いすると、望遠鏡越しにスマートフォンでこんなに迫力のある月の姿を撮影してくれる。

2016.12.29(木)
文・撮影=中山理佐