今月のテーマ「来訪者」

【MAN】
こんな兄弟コンビが、地球に来てくれたら、かなり楽しい

 外国人に、訪日の目的をインタビューしてみたり、優れた技術を持った日本の工房や工場を視察させてみたり、インバウンドなテレビ番組が人気だ。『トーキョーエイリアンブラザーズ』は、それに倣えば「Youは何しに東京へ?」なノリで展開する、宇宙人の地球探訪記マンガ。国外から絶賛されたり、逆に理解しがたいとされるものの中には、この地に住む者にとっては意外に思うケースも多い。

 世界はグローバル化しているとはいえ、さすがに地球外にまでは情報は行き渡っていないらしく、兄弟の感じるカルチャーギャップはハンパない。特に彼らが理解に苦しむのが恋愛感情や心の機微。だが、この兄弟が物思いにふけったり、やたら人間くさくなるきっかけも、実は地球人との触れ合いなのだ。鈍感なのに変に感受性の強い兄弟は、もっと人間を理解したくて恋人作りに励むのだが……。移住計画は成就するのか、この先も楽しみだ。

『トーキョーエイリアンブラザーズ』(既刊2巻) 真造圭伍

地球移住計画のための調査先発隊としてやって来た弟(地球版の名前は田中冬ノ介)と、報告が滞っていることを危惧して遅れて地球にやって来た兄(夏太郎)のコンビが巻き起こすのは笑いだけじゃない。ハートウォーミングな瞬間もたまりません。『月刊!スピリッツ』で連載中。
小学館 552円
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2016.12.06(火)
文=三浦天紗子

CREA 2016年12月号
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